シックスシグマとは、企業活動で発生するばらつきをおさえて、経営品質の改善を図るための経営改善手法のことです。
σ(シグマ)とは統計学上のバラツキを表す標準偏差のことを示します。統計上、シックスシグマを実現するとは、100万回の試行のうち、エラーが3回に抑えられる設計を実現するという意味になります。
バラツキ |
エラーの件数(100万回あたり) |
4σ |
8210件 |
5σ |
233件 |
6σ |
3件 |
シックスシグマのプロセスは一般的にDMAICとして表されます。それぞれの意味は
D(定義):課題設定のことです
M(測定):データ収集と現状認識のフェーズです
A(分析):原因分析のフェーズです
I(改善):何をどう管理し改善するべきなのかを導くフェーズです
C(管理):改善計画どおりの管理をするフェーズです
それぞれのフェーズで具体的に何をするかは以下のとおりです。
シックスシグマでは、改善のスタート地点をVOC(Voice of Costomer 顧客の声)とすることが一般的です。顧客が満足していること、不満足していることを明らかにして、経営インパクトに大きな影響を与える不満足を抽出し、そこから課題の定義をします。
例えば、納期短縮、サービス向上などがここから導き出されます。
測定フェーズでは、まず課題が発生するまでのプロセスを明確にします。例えば、飲食店でのサービス提供までのメカニズムの場合、ご案内、受注、調理、提供、飲食中のサービス、飲食後のフォロー、会計などに分けられます。
ここでは、いきなり解決策にいかずに、まず現状認識を深めるということが重要になります。
プロセスが明らかになったら、これらの中で失敗が起こることによって発生する損失COPQ(Cost
of Poor Quality)を明確にします。そしてCOPQを額の多い順に並べます。額の大きい項目はプロセスや原因をさらに深堀していきます。
さらにその原因が発生するメカニズムを深堀することで、問題が起こっている原因を特定していきます。メカニズムを明らかにするには、ロジックツリー、コーザリティ分析やQC7つ道具など使うとよいでしょう。
そして、解決策のオプションをいくつか出して、それらについての効果を検証していきます。また、改善策が複数の組み合わせになっている場合は、実験計画法(DOS)などを用います。
分析フェーズが終わると、分析結果から得られた解決策を実行に移すフェーズとなります。実際に実行に移して検証どおりの成果が得られているかを測定します。
シックスシグマの活動は、改善ができれば終わりではなく、改善プロセスから得られた知見を組織のナレッジとして継続させることが重要です。例えば、事業環境が変わると、解決すべき課題も変わってきますが、組織にこの改善プロセスが根付いていれば、再び適切な解決策を見出して経営改善を図ることができるようになります。
図解 コレならわかるシックスシグマ
身近で平易な例を挙げて、シックスシグマを解説しています。専門的な内容が少なく、シックスシグマの入門書という位置付けなので、シックスシグマとは何かを簡単に知りたい方にオススメです。
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