企業再生手法について解説


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 ■再生手法の概要

企業再生には大きく分けて、私的整理と法的整理があります。

私的整理とは、企業の破綻清算あるいは再建も目的に株主、債権者、経営者などのステークホルダーが利害調整して、清算、再建方法について合意いたる手法です。

法的整理とは、裁判所に対し企業清算、再生の手続きを申請して、清算・再建計画やステークホルダーとの利害調整を裁判所の認可の元で行う手法です。



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 ●私的整理と法的整理のメリット・デメリット 

法的整理 私的整理
メリット 資産・担保が保全され混乱を回避できる。

債権のカット率が大きくなる上に、
再建計画が慎重かつ綿密に計画される結果、再建の可能性は高くなる。
整理にかかる時間は短い

迅速な再建によりブランドや人材の確保ができる。

債権者にとっては、早期に債権を正常化することができる。

株主にとっては、100%減資を免れる可能性もある。

従業員・顧客にとっては、長期に渡って不安が続く。

取引先にとっても、販売先のブランドが保全できるメリットがある。
デメリット 再建まで時間がかかる。

債権者にとっては、破綻債権としての期間が長くなる。

株主にとっては、100%減資となる可能性が高い。

従業員・顧客にとっては、長期に渡って不安が続く。
不十分な再建となる可能性もある。


 ●私的整理と法的整理の見極め 

一般的に、私的整理に向くのは以下の場合です。
・債権者(債権額)が比較的少数に集中。
・メインバンクやそれに代わる債権者がリーダーシップをとれる。
・事業の継続に信用が不可欠(例えば、サービス業、商社、流通など)。
・事業が再建する可能性が明確である。
・短期的に費用の改善が見込める。


 ●プレパッケージ型の法的整理 

法的整理のメリットを享受し、デメリットを少なくする方法として、プレパッケージ型の法的整理というのがあります(プレパッケージ型のことを事前調整型ともいいます)。プレパッケージ型とは、事前に、債権者と再建計画について合意をした上で、法的整理を行うことで、通常の法的整理に比べて早くかつ高い可能性で再生に向かうことができるようになります。

2009年に経営破綻したGMも、このプレパッケージ型により上位債権者の弁済率25%、下位債権者の弁済率50%という形で破産法(日本で言うと民事再生法のようなもの)の申請を行いました。

ただし、私的整理と同様に、債務カット率が少なくなり、見通しの甘い再建計画になる場合があります。


 ●再建・清算の見極め 

企業の継続価値が清算価値より高い場合には再建、逆の場合には清算という形になります。特に事業自体は黒字だったが、資金繰りが詰まって破綻した場合は再建という手法がとられることが多くなります。

ただし、債権者にとっては債権を早く回収したいという思惑があり、一方で取引先にとっては、事業を継続させて将来的にも売上を上げたいという思惑があるなど、単純な企業の価値の大小だけで決まらない場合があります。

いずれにしても、企業再生・清算の場面においては、様々なステークホルダーの利害を様々な観点から考える必要があります。


 ●弁済率の決定方法 

清算するにしろ、再建するににしろ、債務超過に陥っている会社は、債権者に対して債権カットをお願いすることになります。弁済率は、会社の正味の資産がいくらかを査定した上で、基本的には上位債権者から弁済され、下位債権者や株主には何も弁済されない可能性が高くなります。



正味資産の査定には、DCF法やマルチプル法(EBITDAPER)など「各種企業価値分析手法」が用いられます。


 ●債権者調整のプロセス 

債権者と整理対象企業の間で行われる債権カット配分の調整プロセスとして以下のような例があります。




  


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