シナジー効果の算出と配分


投資学経営学用語集
N's spirit 投資学研究室 > 企業再構築・合併・買収 > シナジー効果の算出と配分

 ■シナジーによる経済効果の算出と配分

ここでは、企業買収によって発生するシナジー効果の算出方法とその配分について紹介します。


 ●シナジー効果の算出方法 

経済効果の算出は、買収による利益と、買収にかかる費用によって算出されます。ここでは、企業A、Bの価値PV(A)、PV(B)と合併後の価値PV(AB)によって考えてみます。

買収による企業Aの利益 = PV(AB) − (PV(A) + PV(B))
買収による企業Aの費用 = 買収資金 − PV(B)

例えば、
PV(A)=3,000百万円
PV(B)=1,000百万円
PV(AB)=5,000百万円
として、企業Aが企業Bに買収をしかけると、利益は1,000百万円になります。

この買収に、1,600百万円をかけたとすると、費用は600百万円になります。


 ●シナジー効果の配分 

各種シナジーによる経済効果がわかったときに、それを既存の株主にどう配分するかを検討することも重要になってきます。

上の例では、買収によるシナジーは1,000百万円に対し、費用は600百万円になっています。企業Aの費用は、企業Bの利益となり、企業B(の投資家)は、600百万円の利益を得ることになります。一方企業A(の投資家)は、シナジーの残り400百万円が利益になります。(下図@の場合)

買収費用が1,000百万円になれば、企業Bと企業Aの利益は、それぞれ1,000百万、0百万円、つまり企業Aにはシナジー効果が配分されないわけです。(下図Aの場合)

もし、買収費用が1,200百万円になった場合、企業Aの利益はマイナスとなり、買収により企業Aの価値が毀損されてしまうわけです。(下図Bの場合)





このように、シナジーに対して、買収費用をいくらで設定するかによって、企業AとB(のそれぞれの投資家)に配分される経済効果が変わってきます。買収費用が大きければ、買収する側の企業の株主は反発を起こしますし、他方買収される側の企業の株主からは歓迎されるというわけです(すなわち、買収しやすくなる)。

したがって、買収する企業は、シナジーをどう配分するかを慎重に考えなければなりませんし、買収する企業の株主は、そもそもシナジーはどの程度なのか、それは我々にいくら配分されているのかという視点をもっておく必要があるわけです。


  


<<企業買収・合併による効果へ進む コントロールプレミアムに進む>>
 再構築・合併・買収
M&A
M&Aのプロセス
企業買収・合併による効果
シナジー効果算出と配分
コントロールプレミアム
買収価格の決定プロセス
買収における資金調達
事業売却の形態
スピンオフ
トラッキングストック
カーブアウト
LBO
MBO
PPA
買収後の統合(PMI)
企業再生手法の概要
民事再生法
会社更生法
DES
DDS
DIPファイナンス
再生戦略の基本ステップ
企業再生のタイミング







N's spirit 投資学研究室 > 企業再構築・合併・買収 > シナジー効果の算出と配分
投資学経営学用語集

Copyright (c) N's spirit. 2004-2005 All rights reserved.