証券化について解説


投資学経営学用語集
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 ■証券化とは

証券化とは、会社が保有する資産を証券として小口化して、その証券と引き換えに融資を受ける資金調達方法のことです。キャッシュフローを生み出せる資産なら何でも証券化の対象になります。例えば、不動産、債権、ローン、知的財産権などです。

証券化は、担保資産を保有している会社(オリジネーター)が資産を保有するよりも、オリジネーターから切り出して、単独の資産として考えた方が価値が高まる場合に有効な資金調達手法です。


 ●証券化の仕組み 

証券化をするにあたっては、まず証券発行だけを目的とした特定目的会社(SPC)を設立します。そこに資産を譲渡して、証券を投資家に発行します。投資家は証券に投資する見返りとして、資産から生み出されるキャッシュフローを原資とした配当金を受け取ります。

一般的な証券化のイメージは下図のとおりです。




まずオリジネーターが、SPCに資産を売却します。特定目的会社は証券会社や銀行(アレンジャー)を通じて投資家に対して証券を発行し、資産から得られたキャッシュフローを元に配当金を支払います。担保資産の回収は債権回収業者(サービサー)によって行われます。

SPCを設立するのは、オリジネーターと隔離することで、万が一オリジネーターが倒産しても、資産に影響を及ばないようにするためです。


 ●証券化のメリット・デメリット(オリジネーター) 

オリジネーターにとって証券化するメリット・デメリットには次のようなものがあります。

■メリット
・少ない資金で大きな資金調達をできる。
・オフバランス効果がある(資産が無くなることでバランスシートを軽くできる)

■デメリット
・通常の融資に比べて、アドバイス料など資金調達のコストが高くなる
・対象資産のキャッシュフローとは別に返済保証を盛り込むことを
 要求される場合がある。


 ●証券化のメリット・デメリット(投資家) 

投資家にとって証券化された証券をもつメリット・デメリットには次のようなものがあります。

■メリット
・通常の融資よりも高い金利を期待できる
・発行体(オリジネーター)の格付けやリスクを気にすることなく
 資産や債権のキャッシュフローのリスクにだけ専念できる
・債権者(投資家)が多数いるので、債務者(オリジネーター)
 に対しての交渉力を高められる

■デメリット
・協議事項がある場合に、債権者間の調整に手間取る
・仮に資産のキャッシュフローが期待どおりにならなくても、オリジネーター
 には原則として補填の義務がないため、リスクが高くなる場合がある
 (ただし、上記のような返済保証を盛り込むことで軽減可能)


なお、2007年に問題となったサブプライムローンとは、証券化の手法を用いて低所得層向け住宅ローンを投資家に証券としてばら撒いた後に、ローンの支払が滞ってしまったために発生した問題です。


  


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