差額原価収益分析について解説


投資学経営学用語集
N's spirit 投資学研究室 > ファイナンスの知識を得る > 差額原価収益分析

差額原価収益分析とは

差額原価収益分析とは、複数の投資案を選択する手法のひとつです。差額原価収益分析では、差額利益という利益に基づいて投資案の優劣を判断していきます。

一般的に長期(3〜5年以上)の意思決定にはDCF法のよるNPVIRRを使いますが、短期(1年程度)の意思決定や、長期でも不確定要素の少ない場合の意思決定には、この差額原価収益分析を用います。


 ●差額原価収益分析の計算方法 

投資案A、Bが次のような関係にあると仮定します。

投資案A 投資案B
売上 100万円 90万円
変動費 40万円 35万円
固定費(投資案によって変化する費用) 20万円 18万円
固定費(どちらの投資案でも発生する費用) 6万円 6万円
固定費(投資に関係なく発生する費用) 4万円 4万円
利益 30万円 27万円

このとき、投資案の差額収益は次のようになります。

差額収益 = 投資案Aの収益 − 投資案Bの収益
       = 100万円 − 90万円 = 10万円


次に差額原価を求めます。ここでは、まず機会原価を考慮せずに算出します。(機会原価とは、他の案を選んだときに得られたであろう利益を原価として認識する考え方です。)

差額原価 = 投資案Aの原価 − 投資案Bの原価 
       = 70万円 − 63万円 = 7万円


次に機会原価を考慮します。

投資案Aの機会原価 = 投資案Bの利益 = 27万円
投資案Bの機会原価 = 投資案Aの利益 = 30万円


ここで、機会原価を考慮して差額原価を計算しなおすと、

差額原価 = (投資案Aの原価 − 投資案Bの原価) 
           + (投資案Aの機会原価 − 投資案Bの機会原価)
       = (70万円 − 63万円) + (27万円 − 30万円) = 4万円


最後に差額利益を求めます。

差額利益(機会原価を考慮しない) = 差額収益 − 差額原価 = 3万円
差額利益(機会原価を考慮する) = 差額収益 − 差額原価 = 6万円


差額原価収益分析の結果は、機会原価の考慮するしないに関わらず、投資案Aに投資した方がよいということになります。

通常は、投資案同士が排他的にした選択できない場合は、機会原価を考慮します。

投資案によって変化する費用(例の場合は上から3番目の費用)を関連原価、変化しない費用(例の場合は上から4番目の費用)を無関連原価といいます。また、投資をするしないに関係なく発生する費用(例の場合は上から5番目の費用)のことを埋没原価といいます。


  


<<DCF法で重視する指標へ戻る 最適な資本構成に進む>>
 ファイナンス基礎
ファイナンスの原則
FCF
DCF法
割引率(WACC)
β(ベータ)
アンレバードベータ
IRR(内部収益率)
残存価値の算出方法
WACCの限界
APV法
ポートフォリオとリスク分散
ポートフォリオとリスク分散2
DCF法でPJを比較
DCF法でPJを比較2
DCF法で重視する指標
差額原価収益分析
最適な資本構成
負債の節税効果
負債の種類
配当政策
配当政策と株価
自社株買いと株価
株価を上げる投資
債券
利付債
割引債
新株予約権付社債
転換社債型新株予約権付社債
異なる債券の利回り比較
証券化
プロジェクトファイナンス
IPO





N's spirit 投資学研究室 > ファイナンスの知識を得る > 差額原価収益分析
投資学経営学用語集

Copyright (c) N's spirit. 2004-2005 All rights reserved.