新商品導入期の価格戦略について解説


投資学経営学用語集
N's spirit 投資学研究室 > マーケティング思考を身につける > 価格戦略2

 ■価格戦略2 (新商品の価格設定)

製品やサービスの差別化度合いと価格の関係は大雑把に言うと、下図のようになります。新製品の場合、この中から上下の2つを除いた3つ、すなわちバリュー価格、プレミアム価格、市場浸透価格の中から選ぶことになります。



この中で、市場価格がまだ形成されていない新製品導入期では、バリュー価格以外の価格政策を採用しやすくなります。


 ●ペネトレーション・プライシング 

ペネトレーション・プライシングとは、販売量が上がるに連れて、単位コストが大きく下がる場合に用いられる方法です。上図の中で、積極的市場浸透価格にあたる値付けになります。

まず、市場導入時にコストと同じかコストより低い価格を設定して、一気に販売拡大をして、規模の経済や経験効果を生かしてコストを下げたのち、利益を確保していきます。

早い時期に高シェアを獲得できたり、競合他社の参入意欲を減退させたり、製品を広く消費者に認知してもらえるというメリットがあります。その反面、期待通りにコストが下がらないとか、設備投資や資金繰りの負担を抱えるといったリスクがあります。

■ペネトレーション・プライシングができる前提
1.潜在需要が大きい、
2.価格弾力性が大きい(価格を下げたときの需要が大きい)、
3.規模の経済や経験効果を生かせる
4.競争相手に価格を下げるだけの力がない。

かつて日本メーカーが海外に進出したときは、よくこの方法が用いられました。


 ●スキミング・プライシング 

スキミング・プライシングとは、ペネトレーション・プライシングとは逆に、初期に高価格を設定して、素早く市場から資金を回収するという方法です。上図の中で、プレミアム価格にあたる値付けになります。

高い収益をもたらす良質な顧客を獲得できる、価格弾力性の低い市場を作ることができる、早期に投資を回収できるというメリットがありますが、比較的簡単に競合の参入を許してしまうとか、トータル収益が少ないまま終わってしまうというデメリットがあります。

■スキミング・プライシングができる前提
1.製品に差別化要素がある
2.価格弾力性が小さい(価格を高くしても需要が減らない)


 ●法人向け製品・サービスの価格設定 

法人向けの新製品やサービス(特にメーカーの製品)の場合、一般消費者向けで考えるポイントの他に、重要なポイントが1つあります。それは、流通マージンの決定です。

流通業者は、その製品が顧客に受けるかどうかという視点に加えて、自分達が儲かるかどうかにも注意を向けます。

例えば、同じような機能の製品でA社が定価5,000円、B社が定価4,800円だとします。これらが並列で店頭に並んでいると、一般消費者なら迷わずB社を選ぶと思いますが、もしこの2製品のメーカーから販売店への卸値が同じだった場合、販売店はA社の製品を何らか理由をつけて消費者に売り込む可能性があります。

それは流通マージンがA社製品の方が大きくなるからです。製品の陳列仕方を変えてA社製品を目立つように配置するかもしれません。

このように、法人を相手にする場合、取引先をどの程度儲けさせるかという観点が必要になってくるわけです。


  


<<価格戦略1へ戻る 価格戦略3へ進む>>
 マーケティング基礎
マーケティング・プロセス
マーケティングの4P
製品戦略
価格戦略1
価格戦略2
価格戦略3
価格戦略4
サービスの価格戦略
価格モデルの革新
流通戦略
プロモーション戦略
競合の模倣を防ぐ方法
ブランド戦略
法人マーケティング1
法人マーケティング2
マーケティング・定量分析
市場規模の推定
市場規模の推定(ATARモデル)
市場規模の推定(海外)
市場規模の推定(ロジスティック曲線)
市場規模の推定(BASSモデル)
消費者購買行動の類型
ステージゲートシステム









N's spirit 投資学研究室 > マーケティング思考を身につける > 価格戦略2
投資学経営学用語集

Copyright (c) N's spirit. 2004-2005 All rights reserved.