事業の運営において経済性の分析は欠かせません。事業の経済性を高めるものとして、主に範囲の経済性、規模の経済性、経験効果3つがあります。
範囲の経済性とは、企業が複数の事業を展開することにより、より経済的に事業運営をしていくことが可能になることをいいます。複数の事業で企業の経営資源を共有化することにより、経済性を高める効果があります。ただし、経営資源の共有化によるメリットよりも、複数事業を持つことのデメリットには注意が必要になります。
ただし、一般的に核となる事業とは全く異なる分野に事業を展開した場合、長期的にマイナスになることが多いようです。そのため、最近では「選択と集中」の名のもと、かつてコングロマリットとして名を馳せた企業も事業再編で足かせとなる事業を売却する傾向にあるようです。
規模の経済性とは、事業規模の大きさによって低コストを実現することにより、経済的に事業運営することが可能になることをいいます。
一般的にコストは、商品の生産量には関係ない固定費と、生産量に比例する変動費に分けられます。商品の生産量が増えれば、単位商品当たりの変動費はあまり変化しませんが、単位商品当たりの固定費を下げることができます。つまり、生産量を増やす(規模を大きくする)ことによって低コストを実現することができるようになるわけです。

また、生産規模が大きくなれば変動費にも規模の経済性が働くことがあります。生産量が増えれば、原料の仕入れ先にも規模の経済性が働き、原料の仕入原価が下がるため、自社のコストを削減することができます。
一般的に物を扱う、メーカーや小売業には規模の経済性が働きますが、分野によっては全く規模の経済性が働かない(逆に規模が大きくなってコスト高になる)ものがあります。
規模の経済性が働きやすいもの ・・・ 工業製品、日用品、
規模の経済性が働きにくいもの ・・・ ブランド品、IT産業
規模の経済性が働く業界では、当然大企業の方が有利なため、小規模の企業は大企業には真似できない独自性を打ち出すことが必要になります。
経験効果とは、過去から現在に至るまでの累積の経験量からのコスト低下により、経済的な事業運営を可能にすることをいいます。
具体的には、ある事業を長年運営していると、従業員の熟練や作業の標準化による累積経験がコスト低下に働くことなどが挙げられます。

※生産量の増加はないものと仮定
規模の経済性と経験効果を合わせると、実質価格と累積生産量には、一定の相関関係が生まれます。それは、累積生産量が伸びると、規模の経済性と経験効果によるコスト減によって、実質価格が下がるという関係です。
その関係を表すグラフを経験曲線といいます。経験曲線は、縦横の両軸に対数をとると、ほぼ右肩下がりの一直線で表すことが出来ます。

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