プロジェクトファイナンスについて解説


投資学経営学用語集
N's spirit 投資学研究室 > ファイナンスの知識を得る > IPO

 ■IPOとは

IPOとは、Initial Public Offeringの略で新規公開株式のことです。IPOは未上場会社が企業活動に必要な資金を調達する目的で行われます。


 ●IPOのメリット・デメリット 

関係者別にメリットとデメリットを整理しました。

■会社にとって(○:メリット ×:デメリット)
○幅広くかつ大きな資金調達が可能となる
○企業の信用度、知名度が上がる(人材採用にも好影響)
○従業員の士気が上がる
○管理体制を充実させられる
×公開準備コストがかかる(一般的に50〜100百万円)
×IRのコストや公開維持コストがかかる
×広く買収のターゲットにさらされる

■株主にとって(○:メリット ×:デメリット)
○流動性が高まる
○資産価値増大の可能性が高まる
×会社が支払うコストの分だけ株主価値は低下する

■ベンチャー投資家にとって(○:メリット ×:デメリット)
○投資先の成功例として出資者にアピールできる(特にベンチャーキャピタルの場合)
○リターンを得る時期を分散化できる
 (ただし、ロックアップ条項により一定期間は売却できないのが一般的)


 ●IPOをするときの企業価値算定 

IPOをする会社は、ベンチャー企業が多いため、安定的な利益が上がっていないと判断基準には適さないDCF法EBITDA倍率よりもPERがよく用いられます。また、赤字続きで利益が十分でない場合は、PSR(売上高株価倍率)を用いる場合もあります。

PERやPSRを用いる場合、同じような業種やビジネスモデルの類似企業をピックアップして参考とするのが一般的です。しかし、ビジネスモデルが独特で類似する企業がいない場合は、投資家や主幹事証券会社に理解されにくく、低く価値算定されてしまう場合があります。


 ●売り出し株数と公募価格の算定 

売り出し株数と公募価格の決定には、関与者の利害を調整する必要があります。

■会社にとって
・できるだけ売り出し株数と公募価格を大きくして資金を多く調達したい
・ただし、応募数が少なく予定されていた資金を調達できない事態は避けたい
・また、現金が必要以上に余ることも避けたい
・株式を売り出しすぎて、支配権が希薄化することを避けたい

■既存投資家にとって
・できるだけ多く売り出して利益を確定させたい

■新規投資家にとって
・IPOにより利益を得たい
 (短期投資家の場合、公募価格よりも初値が大きくなってほしい)
 (長期投資家の場合、企業の成長力に期待する)

■主幹事証券会社にとっては売れ残りリスクを避けるためにはできる限り
・売れ残りのリスクを避けたい
・手数料は公募価格に比例するので、できる限り公募価格を上げたい
・公募価格に比べ初値が高くなりすぎることは避けたい
 (あまりに乖離すると、主幹事証券会社としての評判を落とす)


これらの関与者の利害を勘案して、発行株式数と公募価格を決定します。公募価格を決める際は、新規投資家の応募が多くなるように、企業価値算定によりはじき出された株価にディスカウントレートが掛けられます。(一般的にはディスカウントレートは20%程度)

また、株式市場が冷え込んでいるときは、公募価格を低くせざるを得なくなるので、IPOはタイミングも重要となってきます。


 ●IPOをする株式の種類 

IPOをする場合、会社は次の手段によって株式を公開します。

・既存株式を売り出す
・新規に株式を発行する

このうち、会社に入ってくる資金は2番目の新規発行分によるものとなります。


 ●IPO以外のEXIT方法 

ベンチャー投資家にとっては、IPO以外のEXIT方法として次のようなものがあります。

・対象会社をM&Aによって売却
・対象会社に負債を増やして自己株買いをしてもらう
・対象会社の経営陣に株式を買い取ってもらう

参考ページ:ベンチャーキャピタル


  


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