企業の配当政策を完全資本市場で考えます。資本構成のページでも述べていますが、完全資本市場とは次のような状態です。
@資本コストがゼロ
A負債コストがゼロ
B情報取得コストがゼロ
C法人税などの税金がゼロ
株主価値は将来のFCFから負債を引いたものです。したがって、株主に支払われる配当金はもちろん株主のものですが、企業に内部留保された資金もまた株主のものであると言えます。しかし、実際の世界では資本構成と同じように税金や情報コスト、投資家の投資機会の不均一性などの影響で、配当政策は株主価値に変化をもたらします。
日本においては一般的にキャピタルゲインにかかる税金よりも配当金の方が税金が高いようです。しかし、企業にとっては配当金よりもキャピタルゲインの方が税金が安くなるケースがあります。例えば、保険会社のように市場から資金を集め、何らかの投資で運用しているようなケースでは非課税となる場合もあります。このような企業では配当金の大小が企業と投資家で相反するような場合、配当政策が株主価値(株価)に影響してくる場合があります。
また、それでなくても一般的には配当金が少なくなると株価が下がる場合がありますしかし、一方で優れた投資機会に資金を使用するために配当金を抑える政策であれば、株価が上がる場合もあります。実際には企業がどれだけ優れた投資機会に資金を投下しているかは、外部からはわかりにくいのが事実ですが・・・。
ウォーレン・バフェットは後者のような企業がお気に入りであり、企業は内部留保を再投資すべきだと著書で語っています。確かに、投資家に配当金として渡しても企業への金銭的見返りはまずありませんが、優れた投資機会への資金投下は企業に対して大きな金銭的見返りがあります。企業に大きな金銭的見返りがあるということは、株主価値向上とイコールとなります。
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