■継続可能成長率(サステイナブル・グロースレート)とは |
継続可能成長率とは、企業が自己資本の割合を変えないとしたとき、永続的な成長がどの程度できるかを表すものです。売上高の増分をΔS、売上高をSとすると、売上高の継続可能成長率は次の式で表されます。
ΔS/S=売上高純利益率×内部留保率×総資産回転率/自己資本比率
ただし、この式にはいくつか前提があります。
・企業は成長のために新株を発行しない
・企業は配当性向と自己資本比率を一定に保つ
(内部留保して自己資本が増えると、同じ割合で負債も増える)
・総資産回転率を一定とする
(売上の増分に比例して総資産も増える)
この式の右辺を分解すると次のようになります
右辺=
(純利益/売上高)×(1-配当性向)×(売上高/総資産)/自己資本比率
さらに簡単にすると
右辺=(1-配当性向)×純利益/純資産
=(1-配当性向)×ROA/自己資本比率
したがって、継続可能成長率は
継続可能成長率=(1-配当性向)×ROA/自己資本比率
=(1-配当性向)×ROE
すなわち、この理論で行くと企業が継続可能な成長率を超えて成長していこうと思うならば、配当性向を減らすか、総資産利益率(ROA)を上げるか、自己資本比率を下げる(借入金を増やす)かのいずれかになるということです。(しかし、配当性向を下げれば株主は離れていきますし、借入金を増やせば倒産リスクが大きくなります。)
●実際に売上高成長とROAの関係は理想的なのか?
実際に優良と呼ばれる企業で検証してみます。図は武田薬品工業の1995年〜2004年までの売上高成長率と継続可能成長率を表したものです。

武田薬品の場合、継続可能成長率を超えたのは1994年から2004年の10年間で2年だけでした。これは、武田薬品が着実に成長を遂げていることを意味します。例に出した武田薬品のような成熟してきた企業と新興事業の企業では傾向は全く異なります。(継続可能成長率に近い売上高成長をしている企業としてセブンイレブンがあります。)
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