ファイナンスの原則について解説


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■ファイナンスの原則

ファイナンスでは、時間軸をまたいで未来の企業、事業の価値を見極めます。時間軸をまたぐということで、企業会計における損益計算書がある一定期間の活動の結果を、貸借対照表がある一瞬の企業の資金調達・運用の状態を考えるのとは異なります。

貸借対照表や損益計算書は会計原則というルールに則って記述されるものであり、必ずしもお金の実態の動きを表すものではありません。しかし、企業や事業について、未来の評価を行うファイナンスという分野では、お金の出入りを企業の実態に即した形で見ていく必要があります。

そのため、ファイナンスでは、通常の企業会計とは異なり、大きく2つの原則に従います。


 ●利益ではなくキャッシュフロー 

ファイナンスでは、まず利益ではなくキャッシュフローで考えるという原則があります。なぜなら利益は経営者の恣意が入る一方で、キャッシュフローは実際のお金の動きという事実をベースにしたものだからです。

利益に経営者の恣意が入る代表例として、会計方針(棚卸資産の計上方法や減価償却の方法)を経営者の意思によって変えられることがあります。実際に、会計方針を大きく変更したことで、大きな利益回復を演出した例もあります。そのため、利益は「経営者が作るもの」とも言われます。

その点、キャッシュフローは経営者の恣意が入らず、企業や投資活動におけるお金の動きの実態を表すことができるので、事実をベースに評価を行うことができます。(キャッシュ「Cash is King」と言われています)


 ●簿価ではなく時価 

ファイナンスを考える上で、もうひとつ重要なことが、簿価ではなく時価で考えるという原則です。これも利益ではなくキャッシュで考える理由と同じで、企業活動や投資活動を正味の価値で判断するためです。

貸借対照表に記載してあるものは、全て簿価で書かれていますが(資産は減損処理により時価に近い形で表されるようになりましたが)、事実を表すファイナンスでは全て時価で考えます。そのため、貸借対照表の資本の変わりに時価総額を用い、資産(ビジネス用の資産+金融資産)の変わりに企業価値(事業価値+金融資産)を用います。

負債についても時価が基本ですが、負債の場合は簿価と時価の乖離が少ないと考えられることと、そもそも時価を正確に求めるのが困難という理由から簿価を用いるケースが多くなっています。

ファイナンスでは、リスクを考える上で負債と資本の比率を考えることが非常に多いのですが、このときに(特に)資本は簿価ではなく時価(時価総額)を用いることに注意が必要です。


  


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