DCF法でプロジェクト比較


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 ■DCF法を使ったプロジェクトの評価方法

プロジェクトで投資に対する評価方法には様々なものがありますが、代表的なものとしてDCF法があります。ここでは、DCF法を使ってプロジェクト(以下PJ)を比較し、評価する方法を紹介します。


 ●複数のPJを比較する(投資額、回収額が同じ場合)

次の3つのPJを比較します。

0年目 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
A -200 70 70 70 70 70
B -200 100 100 70 40 40
C 0 -200 150 100 60 40

マイナスは、投資額を表し、プラスは投資によって得られるキャッシュになります。いずれも投資額は同じで、回収する総額も同じです。数字だけ見ると、どれでも同じになりますが、DCF法で評価する上では、すべて現在価値に直して考える必要があります。

ここで、割引率を6%として、各PJのキャッシュの現在価値(NPV)内部収益率(IRR)を求めると次のようになります。

 NPV(A) = 95    NPV(B) = 104    NPV(C) = 106
 IRR(A) = 22%    IRR(B) = 28%    IRR(C) = 36%

この場合は、NPVの観点からもIRRの観点からもCが一番よいPJということになります。

AとBは、同じタイミングで投資しているので、キャッシュ回収の早いBの方がよいということは直感的にわかりますが、Cは支払いのタイミングまでずれているので、直感だけではわかりにくいPJです。こういうときにDCF法を使って評価すると、一目瞭然で結果を判断することができます。


 ●複数のPJを比較する(設備投資かリースか) 

上の事例では、A、B、Cいずれも投資をした場合の比較でした。次に、同じ設備に対して、投資をして購入した場合と、リースをして借りた場合の比較をします。

設備の購入額は4500万円で、リースだと年間1000万円とします。設備の耐用年数は5年とします。金額の大小だと4500万円のほうが有利なように感じますが、ここでも支出を現在価値に直して考える必要があります。また、支出には節税効果がありますが、その際の税率を50%と仮定します。

●購入                                           (単位:万円)
0年目 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
購入     (A) -4,500
減価償却  (B) 1,661 1,048 661 417 263
廃棄損  (C=B累計−A) 450
節税  (D=B/2+C/2) 830 524 331 209 357
CF   (A+D) -4,500 830 524 331 209 357

●リース                                          (単位:万円)
0年目 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
リース    (A) -1,000 -1,000 -1,000 -1,000 -1,000
節税     (B=-A/2) 500 500 500 500 500
CF      (A+B) -1,000 -500 -500 -500 -500 500

このケースでは、割引率を6%とすると、NPVはそれぞれ次のようになります。

 NPV(購入) = -2541万円
 NPV(リース) = -2359万円


計算の結果、金額の大小だけ見て割高だったリースの方が、現在価値で見ると出費が少なくて済むということになりました。


 ●DCF法を通じてわかること 

DCF法を通じてわかることは、キャッシュは同じ額であれば、早く回収すればするほどよく、遅く出費すればするほどよいということです。この時間感覚を養う上でDCF法は有用だと思います。

ちなにみリースの例は、家を買うか?借りるか?といった場合にも使えるケースです。DCF法を用いることで、トータル金額が安いという理由だけで家を購入せず、購入額+ローンと賃貸の家賃を現在価値で見極めることが重要になります。特に持家は頭金が大きく、売却の際に価値が大きく目減りすることに注意を向ける必要があります。


  


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