物事を論理的に考える上で有効なのが、現象をモデルで考えることがあります。モデルで考えるとは、現象をその現象に影響を与えるであろう変数に切り分けて、その現象と変数の間に適切な数式関係で表現することです。モデルにすると、要因の変化による現象の変化がわかったり、将来の現象の予測をできたりするメリットがあります。
現象のモデルにする方法は大きく3つのパターンがあります。
アウトプットを細かく分解してモデル化する方法です。アウトプットを分解したモデルは、結果に対する要因分析をする際に活用できます。
アウトプットの分解方法には、足し算型と掛け算型があります。これらの複合型になる場合もあります。
例えば売上を例にとってみると、足し算型には次のようなものがあります。
売上 = A地区の売上+B地区の売上+C地区の売上+・・・(地区別で分解)
売上 = Aさんの売上+Bさんの売上+Cさんの売上+・・・(人別で分解)
一方、掛け算型だと次のようなものがあります。
売上 = 総資産×資産回転率 (効率性で分解)
売上 = 従業員一人当たり売上×従業員数 (生産性で分解)
アウトプットを分解してモデル化する場合は、内容がMECEであることを意識する必要があります。
未知の数字を既知の数字の組み合わせによってモデル化する方法です。マーケティングにおける市場規模予測などをする場合に活用できます。
例えば、インターネット通販での日本酒を販売しようとした場合にネット通販の日本酒の市場規模をモデル化する場合には、次のようなモデルが考えられます。
ネット通販の日本酒市場規模 = 全国の日本酒の売上
× 日本酒の通販での販売比率
ネット通販の日本酒市場規模 = 全国の通販売上 × 通販の酒類販売比率
× 酒類に占める日本酒の販売比率
ネット通販の日本酒市場規模 = 競合他社の日本酒のネット通販売上
日本酒の通販での販売率などはダイレクトに出ない可能性はありますが、その場合は似たような製品の通販での販売比率で代用するか、さらに通販での販売比率をモデル化するという手もあります。
アウトプットと因果関係の深そうなインプットの要素でモデル化する方法です。インプットの要素が変化したときに、アウトプットにどのような影響が出るかを予測する場合に活用できます。
例えば、郊外にある薬局の売上は、店長の能力、駐車場の広さ、周辺の人口、近隣の競合店、販促活動によって影響が出そうだということがわかっている場合、次のようにモデル化することができます。
薬局の売上 = 店長の能力×係数A + 駐車場の広さ×係数B
+ 周辺の人口×係数C − 近隣の競合店×係数D
+ 広告チラシの配布枚数×係数E
こうしたモデル化をしておけば、1ヶ月後に近くに競合店ができるから、「優秀な店長を据えて、チラシをどんどん配布しよう」などの施策を立てることができます。
こうしたインプットの要素でモデルを作る場合、係数はある程度の実績に基づいて決定します(実績に基づく係数の決定には、回帰分析を活用していきます)。したがって、ある程度実績がないとモデル化しにくいという欠点があります。
モデルを考える際に注意することとして、あまり精緻なモデルを考えようとしないことが挙げられます。モデルで考える目的は、そのビジネスで効いてきそうな変数は何かを考えることなので、そこそこの精度があればOKと割り切ってモデル化することが重要になります。
したがって、モデル化する際には、まずラフなモデルをいくつか形成した上で、そこから得られる解釈に意識を集中した方が生産的だといえます。
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