前のページに引き続き、FCF(フリーキャッシュフロー)算出ステップの後半と
設備投資は、将来のキャッシュフローを実現するために必要な投資です。設備投資は、過去の分でも外部から厳密に計算することが困難なので、キャッシュフロー計算書の情報を使って次のように求めます。
設備投資 = キャッシュフロー計算書の有形固定資産取得額
キャッシュフロー計算書から情報を入手できない場合は、次のような求め方をします。
設備投資 = 有形固定資産の増分 + 減価償却費
将来の設備投資額は、過去の売上高に対する設備投資額(設備投資率)を参考にすることで簡易的に設定できます。
設備投資率 = 設備投資 / 売上高
厳密には企業の投資計画に基づいて算出する必要があります。
減価償却費は、財務諸表からダイレクトに求めらる項目です。
将来の減価償却費は、過去の売上高に対する減価償却費の比率から仮定することができます。
売上高償却費率=減価償却費/売上高
設備投資額と同様に、厳密には企業の投資計画に基づいて算出する必要があります。
各年度のFCFを算出した後に、各年度のFCFを割引いて現在価値に換算し合計すると事業価値になります。将来のFCF(フリーキャッシュフロー)を現在の価値に割引く際の割引率には、WACC(加重平均資本コスト)を用います。
WACCの詳細はこちら
事業価値計算における残存価値とは、一般的に企業が永久的に生み出すキャッシュの合計を表します。
通常、企業価値の計算において、ある年度までは、FCFを企業の財務構造や事業展開に基づいて設定します。しかし、それ以降のFCFは一定と見なすか、一定割合で成長すると見なして、永久的にFCFを生み出すものと仮定します。このときのFCFの累計を残存価値といいます。
FCFが変化しないと仮定した場合、残存価値は次のように求められます。
残存価値 = FCF / r
(r = 割引率)
これはlim(x→∞)Σ(FCF/(1+r)x)を計算すると求められます。
また、一定の成長率gで、FCFが成長していくと仮定した場合、企業が永久的に生み出すキャッシュの合計は次のように求められます。
残存価値 = FCF / (r − g)
残存価値が、将来のある時点で得られた場合、現在価値に直す必要があります。
n年目以降FCFが一定となるとして、残存価値を算出した場合、現在価値に直すときにn−1年目の割引率(現価係数)を用いるので注意が必要です。(例えば、5年目までは、何%かの成長を見込んで、6年目以降のFCFが一定と設定する場合は、残存価値を5年目の割引率(現価係数)で現在価値にします。)
(参考:残存価値の計算方法)
企業の金融資産とは、主に現金・預金・有価証券になります。これらは、FCFを生み出す原動力にはならないので、将来のFCF累計の現在価値(=事業価値)とは、別に考えます。
金融資産 = 現金・預金 + 有価証券
上記までのステップで求めてきたものが企業価値になります。企業価値から有利子負債と少数株主持分を引いたものが、株主価値になります。さらに株主価値を発行株式数で割ると理論株価を求めることができます。
株主価値 = 企業価値 − 有利子負債 − 少数株主持分
理論株価 = 株主価値 / 発行株式数
(少数株主持分・・・第三者が持っている連結対象の会社(子会社)の株のことで、資産や負債とは独立してバランスシートに記載されるものです。)
理論株価と現実の株価の乖離を見ることで、割安度判断するこができます。
企業の業績は外部環境の変化(市場や競合の動きなど)によって大きく変化する場合があります。そこで、予め考えられるシナリオをいくつか作った上で、シナリオごとに株価の分析をすることが必要です。
よくあるのが、楽観ケース、通常ケース、悲観ケースという3本のシナリオを立てる方法です。いずれにしても未来のことは不確実な要素が多いもの。いくつかのシナリオで最悪の状態がどうなるのかを考えておくことは、将来のリスクに対する心構えにもなります。
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株価の妥当性を判断する
理論株価算出1
理論株価算出2
理論株価算出3
理論株価算出4
実際に理論株価算出するときの手順
業績と株価の関係を分析
配当割引モデル
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