人材マネジメント

ジョハリの窓とは【意味・使い方】コミュニケーション改善に役立つ枠組み

ジョハリの窓とは【意味・使い方】

リーダーシップを発揮する上で必要不可欠なのが対人コミュニケーションです。

コミュニケーションの問題を解決するのは難しいと考えらていますが、ある程度の型を使うことで、改善に向けてのきっかけや道筋を作ることができます。

この記事では、他者とのコミュニケーションを考える上で有用な「ジョハリの窓」について解説していきます。

>>世界一わかりやすいジョハリの窓の理論と実践

ジョハリの窓とは

ジョハリの窓とは、人同士が円滑なコミュニケーションを進めるために考案されたコミュニケーション分析のモデルのことです。

サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが考案したモ デルなので、2人の名前をとってジョハリの窓と呼ばれています。

ジョハリの窓は、自分自身に関して、横軸に自分が知っていることと、知らないこと、縦軸に相手が知っていることと、知らないことをとり、それぞれの交点にある状態を考察します。

それぞれの交点の状態を以下の4つの窓で表します。

  • 開放の窓:自分は知っていて、他者も知っている
  • 秘密の窓:自分は知っていて、他者は知らない
  • 盲点の窓:自分は知らなくて、他者は知っている
  • 未知の窓:自分は知らなくて、他者も知らない

図にすると以下のようになります。

この4つの窓から、なぜコミュニケーションをとることが重要なのか、そのコミュニケーションから何を学ぶことができるのかがわかります。

ジョハリの窓における4つの窓

ジョハリの窓における4つの窓の詳細を解説していきます。

開放の窓

開放の窓は、自分の認識と他者の認識が一致しています。

つまり、お互いが情報共有している公の情報になります。

この領域が大きいと、他人に対して「オープンな人」という印象を与えます。

秘密の窓

秘密の窓は、自分は知っていて、他者が知らない領域です。

つまり、公に公開している情報に対するプライベートな自分です。

この領域は他者からは見えないため、ミス・コミュニケーションの原因になることがあります。

また、この領域が大きいと、他者から見ると「何を考えているかわからない」という印象を与えることがあります。

盲点の窓

盲点の窓は、自分は知らなくて、他者は知っている領域です。

自分が気づいていない癖や行動などを通じて、他者が自分のことを推察している領域です。

この領域は、自分が存在を認めること自体に困難を伴いますが、この領域を認識できることで自分への理解が今まで以上に広がります。

この領域が大きいと、他者から見て「空気が読めない人」という印象を与えることがあります。

未知の窓

未知の窓は、自分も他者も知らない未知なる領域です。

この領域には、知られざる潜在能力が隠されている可能性があります。

この領域は、自分が認知できた段階で、秘密の窓になりますし、他人が先に認知した場合は、未知の窓になります。

ジョハリの窓を使ったコミュニケーション改善

他者とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、ジョハリの窓の中で開放の窓を広げることが重要です。

開放の窓を広げることで、他者とのコミュニケーションで信頼感を高められるからです。

開放の窓を広げる方法は以下の3つです。

  • 自己開示を経て、秘密の窓を狭くして、開放の窓を広げる
  • フィードバックを経て、盲点の窓を狭くして、開放の窓を広げる
  • 挑戦を経て、未知の窓を狭くして、開放の窓を広げる

図解すると、以下のようになります。

自己開示をする:秘密の窓を狭くして、開放の窓を広げる

自己開示は、秘密の窓を狭くして、開放の窓を広げます。

自分が思っていることを他者に積極的に開示して共有することで、他者から自分に対する理解を深めてもらうことができます。

なかには、伝えていたつもりだったのに、伝わっていなかったこともあるかもしれません。

そうしたことも含めて、積極的に開示をすることで、自分と他者の認識のギャップを埋められるようになるのです。

他者からフィードバックを受ける:盲点の窓を狭くして、開放の窓を広げる

他者からのフィードバックは、盲点の窓を狭くして、開放の窓を広げます。

自分では気づかなかった癖や、長所、短所について積極的にフィードバックを受けることで、自分に対する認識を改めることにもつながります。

フィードバックを受けるときに注意したいのは、「自分はあなたが思っているような人間ではない」と頭から否定しないことです。

他者のフィードバックが、自分の認識とかけ離れていても、まずはそれを受け止めて、なぜそう思われるのか?を振り返ってみることで、盲点の窓を狭くして、開放の窓を広げることにつながるのです。

未知のことに挑戦をする:未知の窓を狭くする

未知への挑戦は、未知の窓を狭くすることにつがなります。

挑戦によって、未知の窓が狭くなると、それによって秘密の窓と盲点の窓が広がります。

挑戦によって、自分が学んだことは秘密の窓になりますし、挑戦している姿を見て、他者が感じとったことは盲点の窓になります。

こうして、未知の窓から秘密の窓、盲点の窓を広げた上で、先ほど書いたように自己開示やフィードバックを通じて、開放の窓を広げられるようになります。

まとめ

以上、ジョハリの窓の解説でした。

  • ジョハリの窓は、4つの窓を活用したコミュニケーション改善ツールである。
  • 4つの窓は、自分が知っていることと、知らないこと、他者が知っていることと、知らないことをマトリックスからなり、それぞれ開放の窓、秘密の窓、盲点の窓、未知の窓と呼ばれている。
  • コミュニケーションを改善するには、自分が知っていて、他者も知っている開放の窓を広げることが重要である。
  • 開放の窓を広げる方法には、自己開示によって秘密の窓を狭くする、他者からのフィードバックによって盲点の窓を狭くする、挑戦によって未知の窓を狭くすることがある。