財務分析、経営分析とその指標について解説


投資学経営学用語集
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 ■財務分析(安全性)

ここでは、財務の安全性について説明します。安全性を見ることで企業の財務が健全で倒産することがないかを知ることができます。安全性は、企業体力と言い換えることできます。


 ●流動比率 

流動比率とは短期的な債務である流動負債を返せるかどうかを見る指標です。流動負債を返すのに必要な財源は流動資産から作ります。したがって流動資産>流動負債となっていれば当面の借金返済は問題なくできると判断できます。

 流動比率=流動資産/流動負債

流動比率は一般的に、120〜140%程度あればよいと言われていて、200%を超えているのが理想とされています。

(参考) 流動比率の詳細>>

 ●当座比率 

当座比率とは流動負債を返す際の財源として当座資産を使った場合の債務返済能力の指標です。流動資産のうち棚卸資産は商品の陳腐化などで現金化できない場合があるので、当座比率は現金化できる資産での債務返済能力を見ることができます。

 当座比率=当座資産/流動負債

当座比率は80〜100%以上が望ましいとされています。

(参考) 当座比率の詳細>>

 ●自己資本比率 

自己資本比率とは総資本に対する自己資本の割合を示す指標です。

 自己資本比率=自己資本/総資産
 (自己資本 = 純資産−新株予約権−少数株主持分)


自己資本比率は30%を超えているのが望ましいとさています。ただし自己資本比率が高いからといって投資に値する企業ということではありません。その資本をいかに有効に活用するかが大事なのです。日本では比較的自己資本比率が低い企業が多く、一桁の企業もあります。

 ●純資産比率 

2006年5月から新会社法が施行され、純資産、自己資本、株主資本が明確に定義されるようになりました。(これまでは3つとも同じ意味を示していました。)自己資本と純資産を分けて考えるため、比率としても自己資本比率とは別に純資産比率を設定することができます。

 純資産比率 = 純資産/総資産

意味合いとしては、自己資本比率とほぼ同じ意味になります。


 ●固定長期適合率 

固定長期適合率とは、固定資産と純資産および固定負債との比率のことです。固定長期適合率は、固定資産が純資産と長期の負債でどの程度まかなわれているのか示す指標です。

 固定長期適合率 = 固定資産/(固定負債+純資産)

固定長期適合率は80%程度が目安になっています。100%を超過している場合、短期資金が固定資産の投資に使われていると判断できます。

固定長期適合率は、流動比率と表裏一体の指標です。したがって、流動比率の改善が固定長期適合率の改善につながります。


 ●固定比率 

固定比率とは、固定資産が純資産によってどの程度まかなわれているのか示す指標です。

 固定比率 = 固定資産/純資産

固定比率は100%以下が理想とされています。


 ●債務償還年数 

 債務償還年数=有利子負債/営業利益
 または
 債務償還年数=有利子負債/営業CF

 
現在の有利子負債を営業利益または営業CFによって何年間で返すことができるかを測る指標です。有利子負債はキャッシュによって返済されるものなので、企業の財務分析では営業CFベースの債務償還年数を用いていきます。債務償還年数が1年以内であれば、かなり優良といえます。


 ●インタレスト・カバレッジ・レシオ (ICR) 

 ICR=(営業利益+金融収支)/支払利息
 または
 ICR=(営業CF+金融収支)/支払利息

 
有利子負債から発生する利息に対して、何倍の営業利益または営業CFを得ているかを測る指標です。債務償還年数同様、営業CFベースで企業分析を行います。ICRが1倍を下回ると事業収益から利息を支払う能力がないことを示します。日本の上場企業は平均すると5倍程度のようです。


 ●損益分岐点比率 

損益分岐点比率とは、損益分岐点分析によって求めた損益分岐点売上高と実際の売上高の比率のことです。この数字は小さければ小さいほど優良といえます。
(参考) 損益分岐点分析の詳細>>


 ●手元流動性 

上記のほかに、流動的な資金の水準を表す手元流動性(=現金・預金+短期保有の有価証券)なども、安全性指標として使われる場合があります。
(参考) 手元流動性の詳細>>


 ●財務分析の参考図書 

[新版] MBAアカウンティング


  


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