原価企画について解説


投資学経営学用語集
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■原価企画とは

原価企画とは、製品の企画、設計段階を中心に実施される企業の原価低減と、戦略的利益管理を図るコストマネジメントの手法のことです。


 ●標準原価との違い 

目標コストという意味では、標準原価と原価企画は似ていますが、次のような違いがあります。

■適用段階
標準原価が製造段階で適用される原価管理であるのに対し、原価企画は製品の企画・設計の段階で作りこまれるものです。すなわち、それだけ原価企画の方が原価管理の効果が大きいことになります。

■市場志向の管理手法であること
原価企画は市場志向のアプローチといえます。従来の価格決定方法が実際原価と目標利益から決定されたのに対し、原価企画では、市場志向で考えた予定販売価格から目標利益を先に決めてから許容原価を決定していきます。

従来の価格決定 : 実際原価 + 利益 = 販売価格
原価企画の価格決定 : 予定販売価格 + 目標利益 = 許容原価

■関係部門が多様であること
標準原価が、製造、技術が中心となって決定されるものに対し、原価企画はでは、それ以外にも販売、購買、経理、営業など多様な部門との調整の上で実現してきます。


 ●目標原価の設定方法 

目標原価の設定方法には大きく次の3つがあります。

■積み上げ法
現状の技術レベルに基づいて目標原価を設定する方法で、技術志向の原価企画です。

 目標原価 = 現状の成行原価 − VEによるコストダウン額
※VEとはバリューエンジニアリングの略で、製品の価値を機能とコストで把握し、
 価値を高めるための手法のことです。


■割付法
製品で一定の利益を確保するために必要となる目標原価を設定する方法で、市場志向の原価企画です。

 目標原価 = 目標販売価格 − 目標利益


■統合法
積み上げ法と割付法をすり合わせて目標原価を決める方法です。技術側の現状レベルと市場側の目標レベルを常にキャッチボールしながら目標原価を設定していきます。

 許容原価 = 最大販売価格 − 目標利益
 目標原価 = 許容原価 − VEにコストダウン額


上記のプロセスを図にすると以下のようになります。

原価企画


 ●原価企画のメリット

原価企画を採用することで、部品レベルでのあるべきコストの特定が可能になる上に、市場や競合の価格・コスト状況を商品開発に反映することで競争力の高い商品を作ることができるメリットがあります。一方で、このプロセスには多岐に渡る部門が関連してくるので、それらの部門と密接に連携をとりながら原価企画を進めていく必要があります。


  


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