2008年08月02日
 ■ 棚卸資産の評価方法 低価法が強制適用に

棚卸資産の評価方法には、大きく原価法と低価法の2つがあります。

原価法とは棚卸資産を取得時の原価で評価する方法です。(ただし、棚卸資産に大きな含み損が出たときは、強制的に低価法での評価が要求されます。)

低価法とは棚卸資産の取得原価と時価を比較して、どちらか低い方の価格で評価する方法です。低価法では、商品価値が仕入れ時よりも下がっている場合、貸借対照表の簿価を時価に直し、その分を損益計算書の方で、損失計上する必要があります。(その際の項目は、売上原価の内訳か、営業外損失になります。)

参考:棚卸資産とは


これまではどちらを選択してもOKだったのですが、2008年から上場企業については低価法を強制適用
されるようになります。理由は欧米で低価法が適用されているので、日本でも適用するというものです。日本の会計基準を欧米の会計基準に合わる動きがありますが、その一環なのでしょう。(以前、紹介した減価償却についても欧米に合わせて耐用年数や償却の仕方などが変更になっています)


長期滞留している在庫の評価損については、特別損失での処理が認められているので、多くの企業は特別損失として計上することになるようです。実際2008年4月〜6月までの4半期決算では上場企業の多くが特別損失として評価損を計上しています。


この評価損が利益に与える影響は少なからずあるので、PERなど会計方針に影響を受けやすい指標を目安にして株式投資をしている場合は、この評価損の影響を加味して考える必要がありそうです。



2008年05月06日
 ■ 減価償却の耐用年数短縮 企業価値への影響は?

5月2日の日経新聞にも掲載されていましたが、2008年度より設備の耐用年数が一部短縮化されました。2007年度の償却額の改定に続く改定ということになります。海外の制度に近づけていくことが狙いとしてあるようです。


さて、耐用年数が短縮されるとどうなるか?

まず、1年あたりの減価償却費が増えるので、利益額は減少します。今年の決算報告書の資料を見ると、各企業で減価償却方法の変更という項目が出ていると思いますが、これは耐用年数の短縮によるものがあります。株式の指標で考えるとPERに影響が出てきます。


では、利益は減りますが、企業価値はどうなるか?というと、これは上がることになります。

企業価値の計算は、その会社が生み出すFCFの現在価値の累計をベースにして求められます。「FCF=営業利益(1-税率)+減価償却費−運転資本の増加分−設備投資」額という式を考えると、FCFを算出する際に営業利益には税率分がマイナスされていることがわかります。つまり減価償却費が増えて、営業利益が同じだけ減った場合に、FCFはプラスになるわけです。

今回の制度変更では、耐用年数が短縮になるわけなので、直近の減価償却費が増えて、将来の減価償却費が減るということになります。つまり近い将来のFCFが増えて、遠い将来のFCFが減るということになるので、FCFの現在価値を考えるとプラスになるわけです。

したがって、企業価値は上昇するというロジックになります。(ただし、元々営業利益がマイナスの会社にとっては意味がありません。また、EBITDA倍率で考えると、影響は出ません。それは税率を考えていないからです。)


会計の制度は、年々変化を遂げていくもの。それにより実態が大きく変わるわけではありませんが、変化によって投資指標にどのように影響が出るかは考えておいた方がよいかもわかりません。


ちなみに、本サイトの減価償却費のページがまだ古い情報のままなので、近いうちに更新しておきます。



2007年07月20日
 ■ 財務諸表は注記が重要

最近、いろいろな会社の財務諸表に触れる機会があったのですが、財務諸表のことを学び始めた4年前に比べると、格段に読み取るレベルがあがってきたと感じています。

特に、貸借対照表と損益計算書の関係、キャッシュフロー計算書の作成方法が言葉よりもイメージとして理解できるようになってきました。


そんな中で、最近財務諸表で重要だなと思うのは、前にも書いたかもわかりませんが「注記」です。「注記」には、会計方針や偶発、後発の事象、リース取引などの詳細が記載されています。会社間の比較をする際はこの「注記」を見ることで、数字を単純比較してもよいのか、前提を少し置き換えて(例えば会計方針が大きく異なるなら合わせるなどして)比較すべきなのか?を考える必要があるわけで、「注記」というのは非常に重要な存在です。もちろん、経営の実態に合った会計方針を採用しているのか?を見ることも重要でしょう。


基本的な財務諸表の本だとなかなか「注記」のことまで詳細に記した本はないのですが、もう少し突っ込んだ本だと載っているんでしょう。今度探してみます。

ちなみに、注記を丹念に読むことは粉飾決算の匂いを嗅ぎ付けるためにも重要だそうです。バフェットも注記を丹念に読むことが重要だと思っていると何かの本に書いていたような気がします。



2007年07月01日
 ■ <考察> 粉飾決算をするのはどんな会社か?

昨日、粉飾決算の話を書きましたが、書いているうちにどんな会社が粉飾に手を染めてしまいがちなのかという疑問が出てきたので少し考えてみました。

私の考えでは、おそらく経営理念、社会貢献、VISION、こういった企業が本来もっていた目的を忘れて、株価や利益といった目的を達成するための手段にフォーカスをあてすぎた企業に粉飾の芽が出てくるのだと思います。企業にとって、経営理念、VISINOというものは利益や株価といったもの以上に重要な要素です。もちろん株価や利益が重要でないわけではありませんが、これらは企業の持つ目的を達成するためにある手段でしかないわけです。

本来の目的に照らせば粉飾のような法令違反は起こらないわけですが、目的が株価や利益になった瞬間、本来の目的はどこかに追いやられて粉飾に走ってしまうのでしょう。ワールドコムやライブドアなどはまさに株価上昇を目的としてしまったために破綻しました。


われわれ投資家にとっても株価は非常に重要な指標なので、ついつい株価ばかりを追ってしまいがちです。しかし、それでも企業のもっている目的(企業理念、VISION、社会への貢献)が何で、その目的を達成した結果として利益や株価がどうなるのかということをよく考えて投資をしたいと思っています。なぜなら、目先の株価を追って投資する投資家は、やはり目先の株価を追っている企業を選んでいる可能性が高くなると思うからです。(このあたりは自分への戒めでもあるわけですが・・・)

目先の株価を追わない投資というのは、私のスタンスである長期投資になるわけですが、これからもこのスタンスを守っていきたいものです。(真に企業を見極める目があるかは別として・・・)

ちなみに、企業が目先の株価を追って法を犯してしまう例が粉飾決算なら、投資家が目先の株価を追って法を犯してしまう例としてインサイダー取引があります。くれぐれも注意したいところです。

<参考>粉飾決算の基本パターン



2007年05月27日
 ■ 利益はその算出前提を疑って活用すべし

財務諸表を見るときは、実態に照らして考えることが重要だということを前の日記で書きました。特に会計方針の変更があったときは、算出された利益を疑ってかかり、方針の変更がなかったとしたらどの程度の業績だったのかを把握することの重要性を書きました。(ちなみに会計方針の変更は有価証券報告書の財務諸表の注記に必ず記載されています。)

もちろん(本音が仮に利益操作だとしても)利益操作を目的とした会計方針変更は許されていないので、変更には正等な理由がつけられるはずですが・・・


さて、ここまで話の流れだと、利益よりもキャッシュ偏重というかたちに捉えられそうですが、決してそうではありません。一応利益というのは、会計原則のなかの「費用収益対応の原則(費用と収益はそれらの因果関係に即して計算すべきという原則です)」に則って計算されているので、利益という指標が我々に与える示唆は計り知れません。(そうでなければ利益計算そのものが不要ですからね・・・)それに他にも様々な決まりごとがあるので企業(特に上場企業)としても、むやみやたらと利益創出することはできません。


ただそれでも、利益は作られやすいものだという認識をもった上で、活用することを考えるべきです。特に株式投資をする場合は、PERやROEの計算の際に、本当に財務諸表のデータをそのまま使っていいのか?ものすごく良化しているように見えるが、何かこれまでとは違う前提はないか?を常に疑っておく必要があるでしょう。



2007年05月26日
 ■ 財務諸表は経営の実態を見ながら修正することも必要

さて、以前の日記で実態を表せているか疑わしい財務諸表(粉飾とは別です)や、大きな会計方針の変更があった財務諸表に対して我々投資家は何をしなければならないのか?という話をしましたが、その続編です。


答えから先に言うと、我々投資家がするべきなのは財務諸表の修正です。もし、大きな方針変更や実態を表しているか疑わしい財務諸表を修正せずに比率分析をしてもほとんど意味をなさないからです。

修正の例として、例えば実態を表せていない財務諸表については、不自然な科目や金額をきっちり再計算して適切な科目に割り振る必要があります。会計方針の変更があった財務諸表については、会計方針の変更がなかったものとして再計算する必要があります。多大な繰延資産が計上されている場合は、それが費用処理されていた場合に利益がどうなっていたかを再計算する必要があります。

そして修正した財務諸表に基づいて企業の収益性、安全性、効率性を見積ります。そうすると表向き財務諸表のうえでは、大きな利益成長をしているように見えても、実は大して成長していなとか、安全なように見えても実は安全性に問題ありだったといったことがわかる場合があります。


前に私は、「投資家は正確な財務諸表を作ることができる必要はなく、読めればいい」と書きました。では、修正のときは?というと、必要なのは完璧な正確性ではないので、傾向を読み取れるレベルで財務諸表を大雑把に修正できればよいわけです。


ところで、こうした会計方針の変更や実態を正確に把握できない財務諸表に対しても大きくブレない指標があります。

それはキャッシュフローです。利益が変化すればキャッシュフローも変化するかと思いがちですが、実際は他の科目で調整されてしまい、多くの場合は、「営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー」(いわゆるフリーキャッシュフロー)で見るとは変化しません。

これが「利益は経営者が作るもの」、「キャッシュは王様」と呼ばれる所以かと思います。


最近では、経営者が利益を作った例として日産のV字回復が有名です。これは、減価償却費の償却方法の変更や繰延税金資産の計上基準の変更によって大きな利益が生み出されたものと言われています。

こうした舞台を演出している方針変更があった場合は、従来方針で財務諸表を作成した場合にどうなるかを大雑把にでも把握しておくことが重要だと思います。(ちなみに日産は利益を生む前年に損失計上を前倒しして大幅赤字にした上で、翌年のV字回復を演出していました)

会計方針の変更は有価証券報告書で見ることができます。



2007年05月19日
 ■ 経営の実態を表していない財務諸表をどうするか?

財務諸表は、一見すると数字の羅列ですが、その変化を見たり、競合他社との比較をしたりすることで経営の実態を把握することができます。例えばその企業は10年前に比べ資本構成を大幅に変えたとか、競合よりも粗利益率が高く高付加価値品を販売していそうなどということを知ることができます。

その財務諸表ですが、基本は一定の会計ルールにしたがって作成されるものです。しかし、会計方針やルールの解釈の仕方によって利益が変化してしまうという側面があります。減価償却や棚卸資産でどういった会計方針を採用するかによって見た目の利益は変化してしまいますし、資産計上するのか費用処理するのかといった考え方ひとつでも、利益は大幅に変わってしまうケースもあります。(売上は基本的に顧客が作るものですが、利益は経営者の意思で創出できる余地が大きいです。もちろん粉飾という意味ではなく)

当然、会計方針や資産計上・費用処理の方法は、会社の実態をできる限り正確に表せるものを採用するわけです。したがって、会計方針の変更は、会社の実態をより正確に表すためであれば決まりの上では何の問題もないわけです(ただし、企業会計原則に「継続性の原則」というのがあります。ここでは、会計方針をみだりに変更することを禁止しています。)それでも、ある年から急に会計方針が変わった場合は、その前後の関係性については注意深く見ておく必要があります。

また、会計監査が行われていない中小企業だともっと基本的なところで経営の実態を表せていないケース(これも粉飾とは違います)が多々あります。例えば減価償却を適正にできていないなどです。

では、こうした場合、我々投資家はどんなことをする必要があるのか?

続きは次回にします。

<参考>
財務諸表 会計方針による影響



2007年05月06日
 ■ 財務会計と税務会計

我々が普段、有価証券報告書等で目にする財務諸表は、財務会計の原則に基づいて作成されています。財務会計とは、投資家向けに適正な利益を計算することを目的とした会計です。

この財務会計とは別に税務会計というのがあります。税務会計とは、企業が支払うべき税金を計算することを目的とした会計です。

財務会計では、利益=収益−費用で計算しますが、税務会計では、課税所得=益金−損金で計算されます。利益と益金、費用と損金が同じものであれば特に問題はないのですが、実際にはそこに差異があります。

その差異には永久普遍に生じている永久差異と一時的に生じる一時差異があります。後者の一時差異があると、企業の純利益が税効果によって大きくブレてしまうので、税効果会計と呼ばれる処理をしてブレを修正します。

我々が(株式などの)投資の意思決定をする上においては、財務会計を理解していれば十分だと思いますが、税務会計の知識が少しあるとより企業の実態を正確に捉えることができるようになるのでしょう。自分で投資先の企業の財務諸表をいじる場合(例えば会計方針の変更があったときに、変更がなかったと仮定して利益の推移を自分で計算するような場合)にも考え方を知っておくだけでも役立つと思います。

余談ですが、これらとは別に、会計には投資の意思決定やコスト管理、収益管理などをするための「管理会計」というものが存在します。

<参考>
税効果会計



 ■ 財務会計と税務会計

我々が普段、有価証券報告書等で目にする財務諸表は、財務会計の原則に基づいて作成されています。財務会計とは、投資家向けに適正な利益を計算することを目的とした会計です。

この財務会計とは別に税務会計というのがあります。税務会計とは、企業が支払うべき税金を計算することを目的とした会計です。

財務会計では、利益=収益−費用で計算しますが、税務会計では、課税所得=益金−損金で計算されます。利益と益金、費用と損金が同じものであれば特に問題はないのですが、実際にはそこに差異があります。

その差異には永久普遍に生じている永久差異と一時的に生じる一時差異があります。後者の一時差異があると、企業の純利益が税効果によって大きくブレてしまうので、税効果会計と呼ばれる処理をしてブレを修正します。

我々が(株式などの)投資の意思決定をする上においては、財務会計を理解していれば十分だと思いますが、税務会計の知識が少しあるとより企業の実態を正確に捉えることができるようになるのでしょう。自分で投資先の企業の財務諸表をいじる場合(例えば会計方針の変更があったときに、変更がなかったと仮定して利益の推移を自分で計算するような場合)にも考え方を知っておくだけでも役立つと思います。

余談ですが、これらとは別に、会計には投資の意思決定やコスト管理、収益管理などをするための「管理会計」というものが存在します。

<参考>
税効果会計



2007年03月22日
 ■ 誰がリスクを背負うのか 変動費と固定費

私は、本サイトとブログを同じドメインで運営しています。半年ほど前まで、ブログは別のブログサービスを用いていたのですが、ブログも同じドメインに吸収してしまいました。

同じドメインで運営すると、何かあったときのリスクは非常に大きいです。例えば、同じドメインでの運営でだと、何かあったときに全てのデータが飛びます。しかし、同じドメインで一元的に管理できて非常にラクです。本サイトとの統一感も出しやすくなります。

これは、会社でいうと、業務をアウトソースするか自社の社員にやらせるかという話に似ているわけです。アウトソースした方がリスクが小さく、自社の社員にやらせるほうがリスクは大きいというわけです。先日友人と話をしているときに会計学の観点でそれを示すものがあるという話を聞きました。それは、損益分岐点分析に使う、変動費と固定費です。

会計学では、変動費は売上に連動して変化する費用、固定費は売上には関係なく発生する費用として捉えられています。ところが、その友人曰く、変動費は他人にリスクをとらせているもの、固定費は自分の会社でリスクをとっているものにだそうです。

確かに、損益分岐点の計算式に基づいて、変動費率と固定費を変化させたとき、変動費率が大きい方が、売上が上がったときの儲けは少なくなりますが、売上が下がったときの損失も少なくなります。逆に固定費の割合が大きいと売上が上がったときの儲けは大きくなりますが、売上が下がったときの損失も大きくなります。

先ほどの業務のアウトソースの例でいくと、アウトソースすることは変動費率を上げることになり、自社の社員でやらせるということは、固定費を上げていることになるわけなので、意味合いとしては十分に納得できます。

ちなみに変動費と固定費の割合はどれがよいという話ではなく、考え方の違いだと思います。ハイリスクをとってハイリターンを狙うなら固定費を上げたほうがよいわけですし、ローリスク・ローリターンでいきたいなら変動費率を高めておけばよいわけです。



2006年11月25日
 ■ 新会社法 株主資本等変動計算書を新設

先日から書いている新会社法について。

改正により、新たに株主資本等変動計算書というものが必要なようですね。株主資本等変動計算書とは、「純資産の部」の変動状況を示す計算書類だそうです。「純資産の部」の各項目の変動状況を一覧で、示すようになっていて、投資家は「純資産」の連続性を把握することができるようです。

株主資本等変動計算書については以下のページが参考になります。

(参考)株主資本等変動計算書の解説


先日から新会社法に伴う変更点をいろいろと書いていますが、財務諸表の項目変更については、表記の方法が変わるだけで、企業の本業の実態までが変わるわけではありません。我々投資家としては項目の意味するところを大雑把に把握できていればOKでしょう。

「会計の専門家でないのなら財務諸表を書ける必要はない。読めればいい。難しい漢字は書けなくても、読めれば日常生活で苦労しない。財務諸表もそれと同じようなもの。」これは先日から日記にご登場頂いている会計士の方がおっしゃっていたこと。なかなかいい言い回しだと思いますが、まさにその通りだと思いました。



2006年11月22日
 ■ 新会社法で貸借対照表の「資本の部」は「純資産の部」に

昨日、とある会計士の方から聞いた話ですが、今年の5月から施行された新会社法によって、資本の定義が少し変わっていたようです。

会社法については、以前にも日記で取り上げていましたし、情報として頭に入っていたのですが、資本の定義が変わっていたことまでは、全く気づきませんでした・・・。


簡単に書かせてもらうと、今までは、株主資本と自己資本、純資産は同じものを表していましたが、5月からはこの3つは違うものを表すようです。そして、貸借対照表の記述も、「資本の部」から「純資産の部」に変更になるようです。

これに伴い、ROEやPBRなどの指標についても、これまでのものと連続性がなくなるというわけです。しかも業種によってはその影響が無視できなさそうというわけです。

もう少し情報を調べてから本サイトに反映させようと思いますが、これからは言葉の使い方注意が必要になりそうですね。



2006年09月10日
 ■ 会計の種類 財務会計と管理会計

今日は言葉の解説です。

投資や経営を考える上で、企業会計というものが重要になります。実はこの会計には、大きく分けて2種類の会計があるのをご存知でしょうか?1つは財務会計、もう1つは管理会計です。


財務会計とは、企業外部のステークホルダーに、企業の経営状態や財務内容を報告するための会計です。損益計算書や貸借対照表などの財務諸表のルールというのは、財務会計での決め事に準ずるものになっています。


管理会計とは、企業内部の経営管理をするための会計です。損益分岐点分析差額原価収益分析などはこの管理会計の部類に入ります。


家計で言うと、税務署や銀行に自分の家計状態を報告するのは財務会計で、毎月のやりくりを考えるのが管理会計といったところでしょうか。



2006年09月04日
 ■ 製造業の損益分岐点比率 80%を切る

タイトルは日経新聞一面の記事です。


この数字は、バブル期以来の低水準だそうです。(ちなみに1990年〜2000年までの損益分岐点比率は80%〜92%の間で推移していました)


損益分岐点比率とは、損益分岐点になる売上高を現在の売上高で割ったものです。


 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/現在の売上高


一般的に、70%以下は超優良企業、80%以下は優良企業、90%以上は危険な企業と言われています。つまり日本の製造業(あくまで上場ですが)は、平均的に優良企業になったということです。


今後も好景気に期待したいところです。


ちなみに業種ごとの損益分岐点比率は以下のとおりです。

・石油・・・55.49%
・鉄鋼・・・58.87%
・精密機器・・・73.48%
・化学・・・74.76%
・自動車・・・75.42%
・機械・・・81.16%
・電気機器・・・82.67%
・パルプ・紙・・・87.46%
(9/4日本経済新聞より)


参考ページ:損益分岐点とは



2006年02月27日
 ■ 損益分岐点と安全率 中国株

ここ数日、損益分岐点分析を使った安全率の指標で各銘柄をチェック続けていますが、今日は私が保有している香港H株銘柄を見てみました。

0857 ペトロチャイナ 21%
0902 華能国際電力  8%
1138 中海発展    45%

ペトロチャイナと中海発展は割りと信用できそうな数字ですが、華能国際電力についてはバラツキが大きく正直よくわかりません。ただ、華能国際電力は、変動費率が高いことだけは確かなようです。

これは、国内の電力会社も同じことがいえます。どうやら電力会社というのは変動費率の高くなる事業形態のようです。

確かに、費用の内訳を見ると、発電費や送電費、変電費がほとんどで、これらは消費者が電力を使用することにより費用に計上されるでしょうからすべて変動費になるのでしょう。



2006年02月26日
 ■ 変動費率、固定費の変化を見る

前回の安全率を調べるために企業の売上と費用の関係をいろいろと調べてみましたけど、意外ときれいな比例関係にあるようです。

各期の売上と利益の関係がエクセルの近似式上にピタッと乗っていました。


ただ、一部の企業では期ごとに相関がバラバラになっているところもあります。そういう企業を詳しく見てみると固定費を圧縮しているとか、変動費率に少し変化がありそうというのがわかります。

自分のコンテンツとして損益分岐点について取り上げながら、あまり変動費や固定費の観点から企業分析をしていませんでしたが、こういう観点から調べなおすと面白い事実が見つかるかもわからないと認識しました。

ちなみに、固定費がゼロに近づくほど利益を生みやすい体質になります。なぜなら、仮に固定費がゼロになると、損益分岐点売上高はゼロになって、売上が少しでも出れば利益になるからです。

明日は中国株の保有銘柄について調べてみます。


(参考) 損益分岐点分析



2006年02月23日
 ■ 損益分岐点と安全率

企業の利益がゼロになるような売上高を損益分岐点といいます。利益を出すには売上高を損益分岐点より高くする必要があります。損益分岐点売上高は、変動費と固定費によって次のように求められます。

損益分岐点売上高 = 固定費/(1−変動費/売上高)


さて、この損益分岐点売上高を現在の売上高で割ったものを安全率といいます。

安全率 = 損益分岐点売上高/現在の売上高

安全率が低いほど、優良企業とされています。一応の目安は以下のとおりです。

安全率70%以下 超優良企業
安全率80%程度 優良企業
安全率100%以上 赤字企業


これを踏まえて、いくつかの企業で営業利益をもとに優良企業と言われる企業の安全率分析をしてみました。

武田薬品工業・・・63%
キヤノン・・・64%
コーエー・・・26%

いずれも超優良企業のカテゴリーに入ります。元々、優良企業だというのはわかっていましたが、安全率の側面から見ても優良企業だということがわかります。


明日は私の保有銘柄で分析をしてみます。

(なお、変動費と固定費の分解は、最小二乗法による近似なので精度はあまりよくないと思います。)

参考:損益分岐点分析 固変分解





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