今日の日経新聞の5面に面白い記事が載っていました。2008年経済財政白書からの引用なのですが、横軸にリスクテイク(=ROAのばらつき)、縦軸に実質GDP成長率をとったグラフを載せていて、リスクテイクと成長率は比例するという論調で書かれています。
確かに、グラフを見ると両者は比例するかのようになっています。そこで、もう少し詳しく見てみようと、引用元となっている経済財政白書の第2章「企業家計のリスクと対応」を調べてみたところ、他にもいくつかグラフの解釈が考えられると思ったので書いてみようと思います。
まず、白書の主張である比例関係について。R2値を見ると0.229と決して高くないです。つまり、全てのプロットをひとくくりにして、1つの直線で説明するのは少し乱暴ではないかという見方もできます。(R2値とは、横軸と縦軸の関係をその近似直線または曲線で説明できる割合を示します)
では、横軸のリスクテイクを0.06で区切って、左側だけ、右側だけでそれぞれ見るとどうなるか。左側では、「リスクテイクは小さくても、やり方次第で成長率を上げることは可能である」という解釈があるでしょう。右側では、「リスクテイクを大きくしても、成長率にはわずかしか効いてこない」という解釈もあるでしょう。もしくは、左側と右側を比べて「リスクテイクが大きいほど、成長率のバラツキは小さくなる」ともいえます。
また、直線で説明できるとした場合、「成長率1%程度の日本だが、今と同じリスクテイクの度合いでも、2%までは成長率を伸ばす余地がある」という解釈もできそうです。
あるいは、「リスクテイクの割に高い成長率を誇る韓国には見習うべきところがあるはず」という解釈もできます。
さらに、「そもそもGDP成長率が高い国がリスクテイクをするのはある意味あたり前」というように、そもそもの因果関係が逆ではないかという見方もできます。
補足をすると、経済財政白書の主張が間違っていると言っているわけではありません。しかし、グラフをそれらしく見せられると、ついついその主張を是としてしまいがちなので、そのグラフから本質を読み取った解釈を引き出せているかどうか、あるいはそのグラフだけで本当にその解釈を引き出せるかどうかなどを疑うこともときには大事でしょう。
先回の日記で紹介した本の中から、面白いケースをひとつ紹介します。
A、B、Cという3人のガンマンが三者決闘に臨みました。第1ラウンドではA、B、Cという順にそれぞれ1発ずつ銃を撃てます。そして生き残ったものは再びA、B、Cという順に1発ずつ銃を撃つことができます。
各ガンマンにとって最良の結果は1人だけ生き残ること、次によいのが2人生き残ること、3番目によいのが全員生き残ること、最悪なのは自分が殺されることです。
各ガンマンの命中率は以下のとおりとします。
A : 30%
B : 80%
C : 100%
さて、このときにガンマンAが最初にとるべき行動は何でしょうか?
本サイトでロジカルシンキングのコンテンツを今以上に充実させようと思っています。しかし、コンテンツを充実させても自分がロジカルでなければ、内容に説得力がなくなってしまうので、今よりももう少し考える訓練をしようと考えています(これは2007年の私の課題になりそうですね)。
ということで最近やりはじめたのが、あるFact(事実)に対して、「So What?(だから何が言えるのか?」と 「Why so?(なぜそうなるのか?)」でどんなことが言えそうかを考える訓練です。
例えば、今後「景気は悪くなる」ということが考えられるとします。これをFactとします(厳密にはFactになりませんが・・・)。ここから、何が言えるのか?(例えば、専業主婦が減るとか)、なぜそうなるのか?(例えば、円高の影響とか)を考えるわけです。
この例だとあまりに漠然としていますが、身近な生活の中で起こっていることや会社の中で起こっていることをFactとして、「So what?」と「Why so?」を考えもいいでしょう。別に小説などのフィクションでもいいかと思います。この2つを考えていくだけでも、随分頭に考える癖を付けられるのではないかと思っています。
So what?とWhy so?を繰り返して、So what?については、最終的に自分にどのような影響があるのかまで昇華させて、Why so?については、真の原因追求まで昇華させられるようになると、かなり考えるレベルの高い人になるのではないかと思っています。さらに演繹法と帰納法を組み合わせて、仮説を構築できるレベルまでいければ考える達人の領域に入り込めそうな気がします。
先日某所でプレゼンテーションの研修を受けたときに学んだ言葉にWIIFYという言葉あります。
WIIFYは、What's in it for you?の略で、日本語で言うと「相手にとって何の役に立つのか?」になります。つまり、WIIFYは聞き手に対するメリットのことで、プレゼンテーションはこのWIIFYに焦点をあてた構成にしなければならないというわけです。
例えば、企業を説明する際に、投資家に対しては、投資した何倍ものお金を還元できることを訴え、採用試験に来た人には、いかに会社の将来が明るくて、キャリアアップにつながるかを訴えます。これが逆になってしまっては、聞き手のメリットはゼロに等しいわけです。(ちなみに前にも何回か紹介したFABEというフレームワークのBの部分は、まさにWIIFYそのものです。)
こうやって書くと、当たり前のことのように聞こえますが、実際はWIIFYを外したプレゼンテーションが非常に多いのが現実だそうです。
これは自分自身にも思い当たるところがありますし、何よりこのサイト自体がWIIFYを意識した構成になっていないんですね。これからは、WIIFYをよく考えたサイト作りをしていこうと思います。
前回の続きです。
解釈を導くために重要な要素として、帰納法を挙げましたが、さらに帰納法に付け加えることとしてもうひとつ重要な要素があります。それは、仮説思考です。
例えば、AとBという情報があったとします。しかし、AとBだけでは、何もわからないとします。ここで思考を止めてしまえば、AもBも情報としてはほとんど価値のないのもになります。
ここで、一歩踏み込んで、もしCということが言えれば、A+B+CでDという新たな解釈ができるのではないか?と考えてみることが重要です。このCという考えが仮説思考です。
逆に、「最終的にDということを言いたいので、Cという仮定を置いてしまえ」というのも仮説思考です。
よくわからないで止めずに、仮説を立てて前に進めば、ある程度価値ある解釈ができるというわけです。もしDが間違っていたとしても、それは仮説の部分のCが間違っていたわけで、Cの部分だけを徹底的に見直せばよいというわけです。
汎用的な情報は検索エンジンでほとんど手に入る時代です。検索エンジンには(まだ)できない情報の解釈を身に付けておくことが重要になると思います。私自身もこれを強みにしていきたいと思います。
前回の日記で、Googleについて書きましたが、Googleのおかげで情報の収集は格段にラクになっています。Googleだけでなく、RSSリーダーなども情報収集を随分ラクにしてくれています。
一昔前は、情報は握っているものが強かった時代ですが、こうした便利ツールが世の中に浸透するにつれて、情報は知ってて当たり前、すぐに調べられて当たり前という状況になってきました。
そうすると、いわゆる知識の丸暗記はあまり役に立たず、集めた情報の中から、どんな解釈を導き出すということが重要になってくると思います。
当然「解釈が重要」というのは、今に始まったことではないのですが、これからはさらに顕著になるだろうということです。
解釈するにはいくつか方法があると思います。
ひとつは、帰納法的な考え方をすることです。いくつかの事象の中から何が言えるのかを考える帰納法は、世の中の情報を解釈する上で非常に重要な要素になると思います。
続きは次回・・・
大分前に、日経ビジネス誌でGoogleの話題が大々的に取り上げられていました。私はあまり詳しくなかったのですが、Googleは世界中の情報を整理し尽くし、それをタダで提供することを考えている企業だそうです。記事もズバリ「グーグルはなぜタダなのか?」でした。Google Earthなどはタダで提供している情報の代表例といえます。
昨日たまたま、友人とGoogleの話になったのですが、その中で、知人は「web関連のアプリケーションはGoogleを中心に動いている。だからGoogleがルールを変えると、経済が大きく動く」と言っていました。
これは確かにそのとおりだと思いました。Googleに限らず、日本ではYahooなんかが、検索エンジンのアルゴリズムを変えるだけで、今まで見向きもされなかった企業が知れ渡り、大企業が検索エンジンから消えていくなんてことが現実にあり得るからです。
私のサイトも、検索エンジンのおかげで、みなさんにそれなりに訪問頂いていますが、何らかの原因で検索エンジンから抹消されれば、ほぼ無人島状態になってしまうわけです。
さらに友人は、「webサイトを使ったビジネスは手軽にできるが、Googleのルールの上で運営し続けなければならないというリスクを考えておくべきだ」とも言っていました。ただ、これは逆に言うと、Googleはその手のビジネスを完全に背後から牛耳っているとも言えますね。
一連の話が終わった後、Googleに投資してみるのも面白いかと思いましたが、今さら感もありますね。それにGoogleとて永久的にIT王者でいるかはわかりませんので、もう少し考えたいと思います。
これは、後日、本サイトにもアップしようと思っている内容です。
物事を分析する際には、まずアウトプットとインプットを意識して、最初にアウトプットに留まって考えることが重要です。アウトプットとインプットを混同すると、物事の真の問題を見失ってしまうからです。
例えば、ある会社の売上が落ちているとします。「売上が落ちている」は明らかにアウトプットです。ここで、売上が落ちているのは、半年前に商品の価格を全面的に上げたからではないか?と考えたとします。
「価格」というのは会社の方で操作できるインプットです。ここで、「価格」の影響だけを分析して、売上との相関関係のありそうな結果が出たとします。おそらく大半の人は、これで分析をやめてしまうでしょう。
しかし、これでは問題をひとつの側面でしか捉えていないことになってしまいます。「本当に価格だけの影響なのか?」という突っ込みに対して、説得力のある答えを出せないでしょう。
では、アウトプットに留まるというのは、どういうことでしょうか?
まず、「売上が落ちている」のであれば、どんな商品の売上が落ちているのか?、どのエリアの売上が落ちているのか?誰が買わなくなっているのか?などの観点からアウトプットを分解していくことが重要です。
売上というアウトプットをブレークダウンすることで、全社的に「売上が落ちている」ことに対する、問題箇所を特定できるわけです。(実際に分析すると価格以上の問題点が見つかるかもわかりません)
私が、この考え方を知ったのは、ここ数ヶ月の話ですが、これは非常に役に立つ考え方です。株式投資でいうと、財務諸表を分析するときに役立つのではないでしょうか。もちろん日々の仕事にも十分役立つ考え方だと思います。
昨日に引き続き、パズルです。
定数が26個あって、それぞれA〜Zのアルファベットで表示します。
A=1として、Bは2のA乗とします。Cは3のB乗として、Dは4のC乗とします。
このように、各アルファベットは、その順番にあたる数に、ひとつ前のアルファベットの定数乗したものと定義します。AからDまでを実際に求めると、次のようになります。
A=1、B=2、C=9、D=262144
このとき、次の数字を正確に求めろというのがパズルの問題です。
(X−A)×(X−B)×(X−C)×・・・・・・・×(X−Z)
日経平均は後場から急落。香港市場も急落。私のポートフォリオは今日1日で大幅評価額減です。
さて、最近読んだ本の中で、面白いパズルがいくつかあったので、今日、明日に渡って紹介します。
ひとつめはこちらです。
「南へ1km、東へ1km、北へ1km進むと出発点に戻るような地点は、地球上に何ヶ所あるか?」
まず、何ヶ所あるかの前に、そんなところがあるのか?という話になります。
我々の日常生活ではまずあり得ませんが、ある特殊な条件下において存在します。それも無数に存在します。
続きを読む "南、東、北 順に1km歩くと元に戻れる地点はどこ?"
本サイトにロジカルシンキングについてのコンテンツがあります。ところが最近、ロジカルシンキングについて、コンテンツの更新はおろか、日記の題材にもしてないというのが現状です。
そんな中でロジカルシンキングの関連サイト「ロジカルシンキング情報館」と相互リンクしました。これは大変うれしい限りですね。
ということで、久々にロジカルシンキング関連のネタを書きます。
仕事を重要度と緊急度という2軸で分けたとき、次の4つの仕事に分類できます。
1.重要度が高く、緊急度が高い仕事
2.重要度が高く、緊急度が低い仕事
3.重要度が低く、緊急度が高い仕事
4.重要度が低く、緊急度が低い仕事
さて、この4つに優先順位をつけるとどうなるでしょう?1が一番目で4が四番目であることは明白です。問題は、3と4の順位付けです。
我々は、往々にして3を優先してやってしまいがちですが、仕事の成果を高めるには重要度の高い2を優先してやるべきだそうです。なぜかというと、重要度の高い仕事ほど成果に直結するからです。
重要度の低い3を完全にこなそうと時間をかけてやっていると、2が次第に緊急度を増して1になり、1に着手できる時間が不十分になり成果が出なくなってしまいます。つまり、3よりも2を優先して(時間をかけて)進めていき、3は余った時間で(不完全でもいいので)片手間くらいでやればよいということなのです。
仕事をバリバリやっているように見えて、意外と成果が上がっていない人は、2と3の優先順位付けを間違っているのかもわかりませんね。
リスク管理について、今読んでいる本に面白い実験の結果があったので紹介します。
ラルフ・ビンスという先物や株式、オプション市場のコンピューターによるトレーディング戦略を開発したトレーディング・コンサルタントがいます。
ビンスは、博士号を持つ40人を対象に次のような実験をしました。
・勝率60%のコンピューターゲーム
・ゲームの回数は100回
・手持ちの掛け金は1000ドル
・毎回好きなだけ賭けられる
勝率60%のゲームなので、最終的に1000ドルより増やした人は半数以上いるだろうと思ってしまいます。ところが、1000ドルより増やしたのは、たったの2人だったそうです。
このゲームは毎回10ドルづつ賭ければ、平均して1200ドルの利益を得られます。ところが、参加者は負けが連続すると掛け金を大きくして、勝ちが続くと掛け金を小さくするという傾向があり、最終結果は1000ドルを下回ってしまうそうです。
利益を最大化するには、毎回資金の20%を賭け続けるとよいそうです。平均で7490ドルまで増やすことができるそうです(詳しい解説までは載っていませんでした)。
簡単に言うと、負けているときは少なく賭けて、勝っているときは大きく賭けることが重要だということです。
勝率60%という極めて優位性の高いゲームでも、資金管理を間違うと勝てないという非常に興味深い実験結果だと思います。
先日、ロジカルシンキングのセミナーを受けました。以前にも別のロジカルシンキングのセミナーを受けたことがありますが、確認の意味も含めて再度セミナーでロジカルシンキングを磨こうと思い参加してみました。今日はそのセミナーの内容が非常に充実していたので紹介します。
セミナーは丸2日で講義が半日と演習が1日半という内容でした。講義はMECEやピラミッドストラクチャーをベースとしたものだったので、知識として目新しいものは少なかったのですが、演習内容が充実していました。そのため、セミナーに参加してロジカルシンキングの知識を得たというより、演習を通して体得できたという感覚に近いです(真の意味で体得できてはいないと思いますが・・・)。
主な演習内容は以下のとおりです。
・ある社説を読んで、その論理的不備を指摘する
・売上が減少しているスーパーの売上増加策を考える
・競合関係にあるメーカー2社の主力商品の優劣をグループ間で議論する。
演習は全てグループワークで、お互いの意見を活発に言い合えるため、内容だけでなくワーキングでもロジカルシンキングを鍛えられているような感じでした。
このセミナーを通してロジカルシンキングで重要なことを自分なりにピックアップしてみました。
1全体のどの部分を論じているのか明確にする(各論から入らない)
(例)携帯電話業界全体の問題を指摘する中で、冒頭でいきなり個々の機能から話し始める(書き始める)と全体のまとまりがなくなってしまいます。
2目的を明確にして議論をする(手段を目的化しない)
(例)生産ラインの作業の効率化を図るために、他社のシステムを導入する場合に、いかにシステムを導入するかの議論になってしまうと本来の目的を見失ってしまいます。
3何かを選択した場合、他の代替案を選択しなかった理由も明確にしておく(ひとつの案をいきなり選ばない)
(例)ある会社が広告を出すことを検討しているときに、担当者が 「広告=TVコマーシャル」という発想しかなかった場合、TVコマーシャルでつまづくと、その時点で打つ手がなくなってしまいます。広告には電波媒体(TV、ラジオ等)、電子媒体(インターネット等)、紙媒体(新聞、雑誌等)など様々なものがあるはずです。また、最終的にTVコマーシャルを選んだとしても、他を選ばなかった理由を明確にしておくと説得力が大いに増します。
株式投資の際も?を意識して、なぜ他の金融商品(預金、為替、不動産等)にしなかったのか、他の銘柄にしなかったのかをモレなくロジカルに投資の理由を説明できるようになれば、勝利はより近づくかもしれません。投資することが目的ではないことを忘れないよう頑張ります。
大前研一氏の雑誌のコラムの中で、思考力を鍛えるために挙げたことで、面白いと思ったことを2つ紹介します。
1つ目は年間の最初に勉強のテーマをひとつ掲げて、年末にはそのテーマで本が一冊書けるくらいまで勉強することです。最近では東欧やラテンアメリカの経済について勉強しているそうです。
2つ目は大前氏は頭の論理的思考力を鍛えるために日記を書くことです。日記といってもその日の日記ではなく、未来日記だそうです。例えば、三菱自動車の社長になったと想定して、未来の日記を書いていくのだそうです。イメージトレーニングみたいなものだと思います。
この2つ、なかなかマネできるものではありません。特に2つ目の未来日記は難易度が高いと思います。ただ、限られた時間でこういった頭の使い方をすると効率よく思考力が鍛えられるかもしれません。