久しぶりにDCF法の計算シートをいじって、現在保有している中国株の株価について簡単に考察しました。
前提条件として、利益率、運転資本、設備投資、減価償却費は、常に売上の一定割合とし、リスクフリーレートは中国国債金利4.3%、リスクプレミアムには5.5%を用いました。
これらの条件をもとに、現在の中国のGDP成長率約9%と同じペースで成長したとして理論株価を計算すると、以下のようになります。(計算方法の詳細は株価分析を参照ください)
0857ペトロチャイナ:5.99ドル
(6/27現在:10.04ドル)
0902華能国際電力:-0.89ドル
(6/27現在:5.40ドル)
1138中海発展:8.48ドル
(6/27現在:22.60ドル)
何と、理論値がいずれも実際の株価を大幅に下回る結果となりました。(こうした結果は、よくあることですが。)
では、逆に理論株価が今の株価と同じになるように、向こう10年間の売上成長率を設定するとどうなるかやってみました。(言い換えれば市場はどの程度の成長率でこれらの企業を見ているのか?ということです)
0857ペトロチャイナ:15.8%
0902華能国際電力:21.5%
1138中海発展:21.0%
この結果をどう見るかは個人差があると思いますが、私はこの成長率では売上は伸びないと感じています(つまり今の株価は高いと感じます。)昨年中国株を一部売却して、元本を確保したのには、こうした計算結果が背景にもあったのです。(逆に購入時点は私が計算した理論株価に対し、実際の株価がかなり割安でした)
(ちなみに、DCF法は前提条件の置き方で出てくる数値が大きく異なります。したがって、計算する人、個々人が妥当性の高いと考える前提が異なると、出す結論もかわってきます。)
さて、実際の株価が理論株価より低いのはなぜか?理由のひとつとして、配当金があると思います。2007年の各社の配当金を2007年12月時点の株価で割って利回りを出してみたところ次のようになりました。
0857ペトロチャイナ:2.8%
0902華能国際電力:3.9%
1138中海発展:2.7%
4%以上あった04年頃に比べれば低いですが、まずまずの利回りでしょう。(実際、華能国際電力は配当利回り目当てに持っているようなものです)
以上のことから、現在の株価は、企業の成長から考えた理論株価より割高ではあるものの、現状の利回りを確保できるような配当をできれば、株価の下落圧力は緩和できそう。くらいは言えるか?と思います。(私の場合、配当利回りが低くなれば、少なくとも華能国際電力売りでしょう。)
●事業概要
中国国内の貨物輸送および海外への貨物及び乗客輸送を行っています。
※今後のポイント
高い利益率を誇っていて、運転資本の増加も少ないため、大きなFCF獲得力を持っています。売上高の成長がFCF増加に直結します。
理論株価:7.34HK$
売上高総利益率 29.9%
売上高営業利益率 25.7%
売上高経常利益率 24.1%
売上高純利益率 21.0%
ROE 14.0%
流動比率 241.3%
当座比率 225.7%
自己資本比率 75.2%
固定比率 109.2%
債務償還年数 0.98年
ICR 19.8倍
●事業概要
中国石油化工、中国石油天然気と並ぶ中国の3大石油会社のひとつです。名前の通り、中国沖合いの海底油田の開発・生産を行っています。
●財務
※収益性
原油の実勢価格上昇などもあり、2003年は大きく売上を伸ばしています。利益率は石油大手3社の中では最も高く、ROEやROICといった指標も最も高くなっています。ただ、数年前に比べ利益率の低下が見られます。
※安全性
石油大手3社の中では最も安全性指標が優れています。会社規模から見た有利子負債の割合も2社に比べ少なくなっています。
※今後のポイント
設備投資額は近年の実績に比べやや大きめに見積もっています。収益力が高いので、
売上を伸ばせば、大きなFCFが獲得できそうです。
理論株価:4.32HK$
売上高総利益率 未調査
売上高営業利益率 41.4%
売上高経常利益率 41.9%
売上高純利益率 29.3%
ROE 28.5%
流動比率 339.3%
当座比率 328.3%
自己資本比率 60.3%
固定比率 103.6%
債務償還年数 0.77年
ICR 50.5倍
●事業概要
中国のガソリンスタンド保有数NO.1です。石油化学製品でも、ガソリン、エチレン、ポリプロピレンの生産は中国NO.1です。国家プロジェクトの「西気東輸」でも5%の権益を持っています。香港市場、上海A株市場の他にロンドン、ニューヨーク市場にも上場しています。F1上海グランプリに大きく広告を出していたのが記憶に新しいかと思います。
●財務
※収益性
同業種の中国石油天然気に比べて利益率が小さいのが目立ちます。
※安全性
ここ数年、流動資産が減少しているため流動比率、当座比率が少なくなっています。債務償還年数は4年前まで4倍を超えていましたが、有利子負債の減少と営業CFの増加によって減っています。
※今後のポイント
今の収益構造では設備投資額がFCFに与える影響が大きくなります。今後の設備投資額の推移に注意を払う必要がありそうです。
理論株価:1.94HK$
売上高総利益率 不明
売上高営業利益率 10.7%
売上高経常利益率 9.1%
売上高純利益率 5.5%
ROE 18.2%
流動比率 81.3%
当座比率 36.9%
自己資本比率 43.0%
固定比率 169.9%
債務償還年数 1.72年
ICR 16.2倍
●事業概要
中国のガソリンスタンド保有数NO.1です。石油化学製品でも、ガソリン、エチレン、ポリプロピレンの生産は中国NO.1です。国家プロジェクトの「西気東輸」でも5%の権益を持っています。香港市場、上海A株市場の他にロンドン、ニューヨーク市場にも上場しています。
●財務
※収益性
同業種の中国石油化工に比べて利益率が高いのが特徴です。
※安全性
買入債務が大きいため流動比率、当座比率ともにあまり良くありません。有利子負債は年々減少傾向にあります。
※今後のポイント
設備投資率が毎年安定していて、今後の設備投資が予測しやすくなっています。利益率が高くNOPATが多いため設備投資額が増えてもFCFに与える影響は小さそうです。売上高増加がポイントになりそうです。
理論株価:5.63HK$
売上高総利益率 不明
売上高営業利益率 37.7%
売上高経常利益率 37.9%
売上高純利益率 26.5%
ROE 26.3%
流動比率 97.2%
当座比率 59.1%
自己資本比率 69.7%
固定比率 116.0%
債務償還年数 0.48年
ICR 59.6倍
●事業概要
山東、江蘇、上海を中心に電力を供給しています。中国では農林地帯を中心に、広範囲で電力の供給不足が続いています。エネルギー源は石炭が中心となっていて、今後はクリーンなエネルギーへの移行が課題になります。
●財務
※収益性
近年の営業利益率はほぼ横ばいですが、純利益率が3%増となっています。
※安全性
資産に占める有形固定資産の割合が大きいため、流動比率や固定比率があまり良い数字ではありません。しかし、有利子負債の割合は年々減少しています。
※今後のポイント
近年の設備投資額は、電力会社としては低い水準だったので、少し高めの値を入れてみました。それ以外は、利益率が高く、FCFに影響を及ぼすような因子が見当たりません。コスト増の中、今の利益率を維持しながら売上を伸ばせば、FCFの増加が期待できます。
理論株価:5.89HK$
売上高総利益率 未調査
売上高営業利益率 21.2%
売上高経常利益率 22.1%
売上高純利益率 17.8%
ROE 14.5%
流動比率 61.9%
当座比率 52.7%
自己資本比率 51.7%
固定比率 167.3%
債務償還年数 2.82年
ICR 12.6倍 -