2011年06月11日
 ■ 戦略の原点


本書は経営戦略のコンセプトを実務レベルで活用可能なものに厳選し、戦略の基本という位置付けでまとめたものです。(本書の表現を引用すると枝葉を理解するための幹の部分にフォーカスをあてているということになります)


企業の成長目的に始まり、ファイブフォース分析などの外部環境分析やバリューチェーンなどの内部環境分析の手法、事業戦略の基本パターンを紹介。後半ではM&Aの概要や戦略の意思決定や実行の要諦にも触れていて、戦略立案から実行までの基本概念をコンパクトにまとめられています。


それぞれのコンセプトの説明は簡略化されているので、本サイトでも紹介しているような複数の戦略本を読んだ上で、もう一度基本に立ち返る際に適した一冊です。



2011年05月15日
 ■ マッキンゼー現代の経営戦略


本書はタイトルには「現代」と書かれていますが、1979年に発行されたもので、以前紹介した、ストラテジック・マインド企業参謀と並んで古典とも言える本です。

戦略に関する本は多数ありますが、本書はそれらの原点とも言えるもので、現代の経営戦略にも当てはまる6つの基礎的フレームワークが紹介されています。


<本書で紹介されているフレームワーク>
PMS(Product Market Strategy)
PPM(Product Portfolio management)
PIP(Profit Improvement Program)
OVA(Overhead Value Analysis)
SFM(Sales Force Management)
TPM(Technical Portfolio Management)



2011年04月13日
 ■ BoPビジネス戦略 新興国・途上国市場で何が起こっているか

BOPとは、Bottom of the Piramidのことで、1人あたり年間所得が3000ドル未満の経済ピラミッドにおける底辺層のことを示します。世界の人口の72%、約40億人がこの層に該当するそうです。

少し前からこのBOPを対象にしたビジネスが注目を集めていますが、本書はそのBOPビジネスを豊富なバックデータと、P&G、フィリップス、コカコーラなどの事例を紹介

それらを体系的にまとめて、BOPビジネスの創造に向けたチェックリストを掲載。また、ローカルグロースチームの5原則を紹介するなど、BOPビジネスを本格的に始めようとする人に大きな示唆を与えてくれます。

新興国向けビジネスに取り組んでいる方におすすめの一冊です。



2011年02月26日
 ■ 大前研一 戦略論―戦略コンセプトの原点

本書は大前氏が1980〜90年代にかけてビジネス誌に投稿した論文をまとめたものです。

20年近く前に書かれたものであるにも関わらず、内容は現代に通じるものが多いです。第1章の「競争は目的ではなく、まず考えるべきは顧客ニーズ」、第2章の「先見力の要件」、第6章の「アライアンス戦略」など、どれも考えてみれば当たり前のことばかりです。しかし、それらが自社の戦略で確実にできているかと言うとそうではない。

自社の戦略を考えるときに、本書に書かれている内容を一度読み返してみるとよいのではないかと思います。

日ごろから会社の戦略を考えている方に本書をおすすめします。



2011年02月12日
 ■ V字回復の経営

数々の経営コンサルティングの経験をもつ筆者が、多くのコンサルティング現場から抽出したエッセンスに基づいて描いた企業再生物語です。

この本に出てくる状況は、今の日本の企業、組織なら多かれ少なかれどこでも起こっている問題でしょう。本書はその問題を解決するためのひとつの道筋を与えてくれます。場面の途中で筆者の注釈が出てきますが、どれも痛い指摘ばかりです。

事実を積み上げて現状分析をして戦略を作るもの難しいですが、それ以上に現場を納得させて、実行することがいかに難しいかを本書は示しています。

戦略企画部門のみならず、部門のマネージャーにもおすすめの一冊です。



2011年01月31日
 ■ 世界最強企業サムスン恐るべし! なぜ、日本企業はサムスンに勝てないのか!?

家電や携帯電話の業界におけるメーカーと言えば、日本ではSONYやPanasonicになりますが、日本以外の国では、LG、SAMSUNG、ハイアールといった名前が出てくるのではないでしょうか。これは一度でも東南アジアや中国などに行ったことがある人なら十二分に実感できることだと思います。日本以外においては、韓国・中国企業の勢いは、日本企業をはるかに凌駕している状況だというわけです。

本書は、そうした企業のひとつSAMSUNGの創業から今日(5年前)の状況を綴り、成功のための転機や今日の成功要因を分析したものです。

主な成功要因として、

・人材戦略(各種訓練、地域専門家制度など)
・新製品開発スピード(注力分野への集中投資)
・マーケティング重視の戦略(デザイン重視、ブランド志向)

などを挙げています。これらの策の前提には、世界で戦うと決めたSAMSUNGの姿勢を伺うことができます。

これらは、市場規模が大きく日本市場で、海外に比べて比較的同質な日本人を相手として、付加機能競争に明け暮れてきた日本企業があまり得意ではない分野であるともいえます。

しかし、日本の需要増が見込めない中では、今後こうしたグローバルで成功している海外企業の事例から大いに学ぶべきことがあるでしょう。(一方で、そのサムスンもハイアールなど中国企業の台頭で基礎技術のある日本と、安価な中国の板挟みを経験することになるかもしれませんが・・・)


本書は、グローバル展開している企業の戦略立案担当者におすすめの一冊です。



2011年01月30日
 ■ ストラテジック・マインド 変革期の企業戦略論

大前研一氏がマッキンゼーアンドカンパニーの日本支社長時代に書いた戦略立案に関する本です。

以前紹介した企業参謀と同様、30年前に書かれた本であるにもかかわらず全く古さを感じさせません。(個々の事例は古いですが、考え方・切口という観点での古さはないという意味です)

企業参謀が戦略立案に必要なプロセスを一通り解説しているのに対して、本書はKFSの絞り込み、戦略的三角関係(顧客、自社、競合)という視点で戦略構築のあり方を掘り下げた本です。企業参謀の理解をさらに深めるためにはうってつけです。

戦略構築を担当している方におすすめの一冊です。



2011年01月03日
 ■ 戦略シナリオ 思考と技術

戦略立案のプロセスを記した本です。最初に人が陥りやすい2つの思考、現在顕在化している枠内で思考するオペレーション思考と、ハイリスクで成功しても再現性のないギャンブル思考について紹介。それらと対比する形で戦略思考力と戦略構想力を紹介しています。

戦略思考力のパートでは、本サイトでも取り上げている仮説思考や論理の構造化に関するスキルを、戦略構想力のパートでは3C分析に加えて、3S(選択、差別化、集中)によってダイナミックな方向性を出すこと必要性を説いています。後半では、戦略を選択する上で収益基準とは別に価値基準にフォーカスすることの重要性を説いています。

経営戦略立案に携わる人におすすめの一冊です。



2010年12月26日
 ■ 「日本品質」で世界を制す!

本書では、日本以外の企業(特にアジア企業)の品質レベルが高まっている一方で、日本の品質が危ういと言われている中での日本企業の今後戦い方を提言しています。

後半の部分は本書と同じ遠藤氏の著書「プレミアム戦略」と内容的には被る部分がありますが、私自身、中国のローカルメーカーの製造現場をいくつか見てきた中では、本書の提言である情緒的価値の構築という部分には大いに賛同できる部分があります。(実際、中国ローカルのメーカーも、品質面での差別化を考えており、そこそこの機能的品質を作り出す仕組みは十分にできあがっています。その上でコスト競争力が高いのです。)

本サイトのターゲットである投資家視点では、情緒的価値を提供できる企業の見極めが、経営層や戦略企画者の視点では、いかに情緒的価値を生み出すかがポイントになってくるのでしょう。



2010年12月17日
 ■ マッキンゼー:変革期の体質転換戦略


本書では世の中の構造変化に対して、企業がどう変わっていくべきかという提言をまとめています。発刊が1985年のため、生産や設計の外部活用など今となってはごくごく当たり前のことも書かれていますが、組織、人材面などソフトの部分は現在でも通じる部分も多いです。裏を変えせば、25年前に本書で提言されたことを実行に移すには高い障壁があるということの表れだと思います。(人の特性は今も昔も変わらないということでしょうか)

企業の構造改革を推進する方や、現状の企業体質を何とか変えていきたいという方におすすめの一冊です。



2010年11月27日
 ■ 異業種競争戦略

本ブログでの紹介している仮説思考の著者として有名な内田氏の書いた本です。事業連鎖の中で、それぞれの機能を担うプレーヤーが時系列でどのように変化してきたか?をわかりやすく記しています。加えて、戦い方のパターンや儲け方のパターンなどもいくつか紹介しています。

本ブログで紹介しているような書籍を一通り読んだことのある方にとっては、目新しい要素は少ないですが、改めて事業連鎖の構造変化の歴史を理解するにはうってつけの本です。

事業戦略やマーケティング戦略を立案している方におすすめの一冊です。



2010年10月10日
 ■ 戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ


ミスミ社長の三枝氏が書いた、企業変革を題材にしたドラマです。三枝氏の実体験に基づいた内容なので、通常の戦略ノウハウを記した本に比べると、人間臭い部分を追体験できるようになっています。
(題材となっている医療機器販売会社は実在した会社がベースになっています)

事業戦略立案における勘所を見つける力を養うだけでなく、関係者間の利害調整など、実際の戦略立案の際に難所となるであろうステージの乗り切り方もあわせて読み取ることができます。

経営企画部門などの戦略立案を業務とされている方におすすめの一冊です。



2010年09月24日
 ■ 企業参謀 戦略思考とは何か

本書は経営戦略、戦略思考の古典と言える一冊です。30年以上前に書かれたにも関わらず内容は全く陳腐化していないのがすごいところです。

中期計画の立案ステップ、製品市場戦略の立案ステップの他、競争優位の構築の仕方を3種類紹介。競争優位の構築は、KFSによるもの、相対的なポジションによるもの、新機軸によるものという3種類を紹介していますが、これらは現代でも経営戦略の定石として使われているもです。

事業企画に携わっている方におすすめの一冊です。



2010年09月08日
 ■ 現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件

本書では、強い企業の条件を現場力という切り口でまとめられ、その現場力を高める7つの条件を記されています。

強い企業とは、高い経営品質、すなわち競争戦略、オペレーション、リーダーシップの品質を誇る企業であるとして、その高い経営品質を動かすのが「現場力」であるとしています。さらに、その現場力を品質、コスト、スピードと各々の持続性と定義し、現場力を高める条件として次の7つをあげています。

・哲学としての現場力
・脱、事なかれ主義
・主権在現
・自律的サイクル
・見える仕組み
・オルガナイズスモール
・継続する力

さらに現場力を高める方法として、核となる人材育成とインフォーマルなコミュニケーション、否定や失敗を恐れない思考について言及しています。

現場のオペレーション能力を高めたいマネージャーにおすすめの一冊です。



2010年08月21日
 ■ 利益思考

事業創造の際に必要な思考(それを利益思考と本書では定義しています)を題材とした本です。
利益思考の2大要素を
1.ムダを最小化すること
2.新しい価値を生み出すたすこと
と定義し、事業評価のマトリックスの紹介やKSFKBFの見極めの重要性を示唆しています。

本書に書いてある「良い品質の製品だからといって、利益を生むわけではないという」部分は、海外市場で苦戦する日本企業に向けてのメッセージともとれます。

後半では、名著と言われる「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」で登場する23の利益モデルが、8つのカテゴリーに整理されています。この部分は、新たなビジネスモデルを検討する際の切り口として活用できるでしょう。



2010年08月16日
 ■ 戦略力を高める ―最高の戦略を実現するために

戦略立案の指南書です。戦略×仮説を航海で目的地で辿り着くための海図に例え、海図を作るのに必要な4つの力(以下に詳細記載します)とその海図の作り方を紹介しています。


1.先を読む力
将来を予測する力のことです。様々な立場の人を一人称に置き換えて想像力を働かせたり、シンプルな構造で考えることが重要であると書かれています。

2.あるべき姿を描く力
あるべき姿を考える場合は、近い将来だけでなく遠い未来を、近隣のことだけでなく地球規模で考えることが重要であると記されています。

3.見つめ直す力
自社を今の枠組みやポジションだけで考えずに、新たに再定義する力のことです。ガス供給業者がガス供給業界という定義ではなく、エネルギー供給業界という定義で考えることで、戦略の幅が広がるというのを例として挙げています。

4.道筋を示す力
あるべき姿に向かうストーリーを作る力のことです。このときに重要なのは、ルールに則って道筋を作るのではなく、自らルールを構築することであると書かれています。


本書の最後に海図作成フォーマットが載っていますが、このフォーマットは自分で戦略立案する際のひとつのプロセスとして非常に役立ちます。これまで様々な戦略関連の本を読んで来られた方にとっても、新たな戦略立案パターンを増やす意味で役立つと思います。



2010年08月08日
 ■ プラットフォーム戦略

本書では、企業と顧客、顧客同士、企業と補完事業者など、ビジネスに参加している者を乗せる土台であるプラットフォームの戦略的活用や利用方法について解説しています。

インターネットモール、オークションサイト、クレジットカード会社、ゲームメーカー、玩具メーカー、教育機関など様々な事例の中で、プラットフォームとして成功した例や、乗るべきプラットフォームを誤って急落した例などを豊富に紹介しています。

興味深いのは、自社でプラットフォームを作るときに何を考えるべきかということだけでなく、他社のプラットフォームに乗る際にも、自社のプラットフォームに対するスタンスをまず考えておかなければならないという点への言及です。

本書であげているポイントは、(1)ドメインを決定し、(2)ターゲットを決めて、(3)プラットフォーム上のグループ間交流を活発にして、(4)キラーコンテンツを準備し、(5)適切な価格戦略と価格以外の魅力付けをし、(6)暴走しないようにコントロールすることです。

今のところ、プラットフォームという視点で体系的にまとめられた唯一の本だと思います。



2010年08月07日
 ■ アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略――ローエンドから攻め上がれ

国内市場が停滞・縮小している中で、グローバル市場における売上拡大は、多くの日本企業にとって重要な課題となっています。本書では、そうした課題の解決策のひとつを提言しています。

解決には(1)市場創造力、(2)M&A力、(3)ものづくり力、(4)オペレーション力、(5)経営管理力の5つの力が必要であると解説。ものづくり力では、ターゲットコストを明確にして、価値を絞り、作りをシンプルにし、R&Dを川下に絞ることが重要としています。

日本の製品は、アジア市場ではハイコストかつオーバースペックであると見られるケースが多く、サムスン、LGなどの韓国企業の製品に、将来的は中国企業の製品に対して、手も足もでなくなってくるという見方さえあります。その中で、本書は真のグローバル企業になるための考えや心構えを説いてくれています。

経営者や国際事業部門のスタッフとして、自分の会社をグローバルに成長できる企業へと変革していきたい方や、投資家としてグローバルに成長できる企業の判断基準を養いたい方に適した本だと思います。



2010年06月11日
 ■ 経営戦略ケーススタディ―グローバル企業の興亡


優良企業の成功事例を簡潔にまとめた本です。

前半は、産業構造分析(5F)や資源ベース理論(RBV)、ポーターの事業戦略類型などの経営戦略のフレームワークをベースに各企業の事業戦略を解説。

後半は、国際戦略、インターネットビジネス、コーポレートガバナンスなどの観点から優良企業の事業戦略を解説。

シマノ、イケア、キヤノン、サウスウエスト航空、デル、サムスン、ファーストリテイリングなど、世界的に有名な優良企業を20社以上紹介。

それぞれの企業の成功要因をざっくり知る上では、非常に役立つ本だと思います。



2010年03月16日
 ■ 戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

戦略系コンサルティングファームの採用試験では、フェルミ推定やビジネスケースに関するインタビューが実施されるそうです。ビジネスケースとは、ある会社の経営課題をケースとして与えられ、その課題に対する解決策を提示するというものです。(フェルミ推定についてはこちらの記事を参照ください)

本書では、そのビジネスケースの例を36個収録。さらにケースのタイプを12に分類し、それぞれのケースを解くために必要とされるフレームワークを紹介しています。


【ビジネスケース、12の分類】
・新規市場参入
・業界分析
・M&A
・新商品開発
・価格戦略
・成長戦略
・起業/新規事業の立ち上げ
・競合の動きに対する対抗策
・売上増加
・コスト削減
・利益増加
・ターンアラウンド


本書は、戦略コンサルタント志望の方に向けて書かれているものの、上記の12個のフレームワークは、事業戦略やマーケティング戦略の立案に携わる方にとっても、業務の中で必要な論点を提示してくれる心強い味方になるものだと思います。

参考:経営戦略の基礎



2010年02月01日
 ■ 経営戦略の思考法

これまで発表された経営戦略論は、数多くありますが、本書のように戦略論を体系立てて相互関係を整理した本は、他にはなかなか見当たりません。

まず第1部で、経営戦略論を「戦略計画学派、創発戦略学派、リソースベーストビュー、ポジショニングビュー、ゲーム論的アプローチ」の5つに大別。

第2部では、3つの思考法(カテゴリー適用法、要因列挙法、メカニズム解明法)や、第3部で競争、シナジー、選択と集中をテーマとした議論を展開。

著者の背景もあるのか、実務的な要素よりは、学術的な要素がやや強くなっています。しかし、これまで多くの経営戦略論を学んできた方が、それぞれの戦略論のコンセプトとメリット、問題点を比較し、理解を深めるにはうってつけの一冊だと思います。

後半に出てくる20ドル札を落札ゲームは興味深い内容です。



2010年01月05日
 ■ 経営参謀の発想法

戦略立案プロセスを課題設定、現状分析、診断、解決策の検討、実行プログラムという5つに分けて、プロセスごとに詳細な解説をしています。実務で戦略立案に携わっている方におすすめの本です。

筆者(後氏)と同じマッキンゼー出身の波頭氏が書いた「戦略策定概論」とやや重なる部分もありますが、戦略策定概論ではPMSを軸にした戦略立案だったのに対して、本書ではそもそも課題分野をどう設定するか?を基点とした立案プロセスを描いています。

また、各プロセスで登場するフレームワークも少しずつ差異があるので、戦略立案にも様々な視点があることを認識させられます。(既に紹介している「戦略のレシピ」も、この2冊とは異なる視点で描かれています)

本書の中で印象的だった言葉として「インプリシット・ストラテジー」があります。

インプリシット(implicit)とは暗に含まれたという意味で、明示されたというエクスプリシット(explicit)の反対の意味です。

戦略がないのが戦略という会社でも、今日がある以上は何らかの戦略がある。そういう会社を実はよく分析していくと、その会社自体もはっきり認識していない、すなわち暗黙のうちに実行されてきた「内なる戦略(=インプリシット・ストラテジー)」が見えてくるそうです。

現状分析においては、まず始めにインプリシット・ストラテジーを理解することが重要なのだそうです。



2010年01月02日
 ■ ポーター教授『競争の戦略』入門

企業の収益性を左右するのは、優れた商品でもサービスでもなく業界構造にあるとするなど、競争戦略の基本原理を記したポーターの名著『競争の戦略』のコンセプトをわかりやすく解説した本です。

競争の戦略は名著ではあるものの、難解な部分も多く一度読んだだけでは、内容を把握することが難しい。ところが、本書であれば、ダイジェストでまとめてあるので、数時間でひととおりの内容を把握することができます。

特に業界構造を決定付ける5つの力の本質を徹底的に知りたいのであれば、原書よりも本書の方がおすすめだと思います。本書を読んだ上で、気になる部分を原書で読み返すという読み方をしてもよいと思います。

名著のガイドとして高い評価を得ています。



2009年12月28日
 ■ デルタモデル ネットワーク時代の戦略フレームワーク

昨日に引き続き、本サイトのコンテンツに挙げられている本を紹介します。この本では、一貫して戦略立案から実行までを統合的にまとめたデルタモデルというフレームワークを紹介しています。

IT化が進んだ現在の企業戦略において、ポーターが提唱する業界構造やバリューチェーンに基づき立案あされる競争戦略論や、バーニーが提唱する内部資源に基づく戦略論では、限界がある。それを解決するのが、それぞれの良さを統合し、新たな概念を取り入れて作られたデルタモデルであるというのが本書の主張です。


ポーターが提唱する差別化、コストリーダーシップを、デルタモデルではいずれもベスト・プロダクトというポジションに位置づけて、加えてシステム・ロックイン、トータル・カスタマー・ソリューションという2つのポジショニングを提唱しています。

この3つのポジショニングを実現するには、8つの方法があり、本書では、その8つの方法にはてはまる企業をいくつか紹介されています。

本書では、最初にポーターやバーニーの戦略論の概要と問題点も指摘しているので、2つの戦略論を十分に知らない人(特にバーニーはポーターほど有名ではないので)でもコンセプトを理解することができるようになっています。

従来の戦略論では論じられていなかった新たな示唆、考える視点を与えてくれる良書だと思います。大項目の小項目の構成がわかりやすいため、ボリュームの割に短時間で読めるのもよいです。



2009年12月27日
 ■ ビジネスロードテスト 新規事業を成功に導く7つの条件

すでに本サイトのコンテンツに、本書で紹介されているフレームワークを挙げておりますが、改めて本書の位置づけという切り口で紹介します。

本書は、新規事業を評価するための7つの評価軸であるセブンドメインズというフレームワークを紹介しています。具体的には業界(マクロ・ミクロ)、市場(マクロ・ミクロ)、そして経営陣(人的ネットワーク、成功要因を実現できる実行力、野心)という切り口によって、新規事業の成功度合いを測れると主張しています。

新規事業がアーリーステージで成功するために必要なことをここまで体系立てて解説している本は、他にはなかなか見当たりません。

ベンチャー起業や大企業で新規事業を立ち上げる方だけでなく、そうした事業を評価する側に立つベンチャーキャピタリストや経営陣などにもオススメの本です。



2009年08月02日
 ■ 戦略策定概論 企業戦略立案の理論と実際

本書は戦略立案の必携本と言えるでしょう。本書は、大きく以下5つのポイントでまとめられています。

・戦略の定義
・分析のためのフレームワーク
・PMS(Product Market Strategy)の策定プロセス
・マーケティング戦略
・それらを支える機能別戦略(技術、生産、販売など)

各ポイントが、フレームワークできっちり整理されているのが分かりやすいです。

初版は95年とやや古いですが、内容は今でも色あせていない普遍的なものが多く、これからも十分活用できる内容です。

以前、紹介した「戦略のレシピ」とあわせて読むことで、戦略立案のためのツールに関する理解がぐっと深まると思います。



2008年11月05日
 ■ ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則

ジレット、フィリップ・モリス、キンバリー・クラーク、ウェルズ・ファーゴなどを例にあげて、平凡な会社がいかにしてエクセレントカンパニーになったかをまとめた本です。(いくつかはウォーレン・バフェットのお気に入りの会社でもあります。)


エクセレントカンパニーの特徴を簡単に内容をまとめると
1.謙虚さと意思の強さを持ち合わせた経営者
  (野心は自分ではなく会社のために)
2.目標・やることを決める前に適切な人を選ぶ
  (適切な人を選んでから目標を定める)
3.厳しい現実を直視する一方で最後には勝つという確信を失わない
4.自分の事業を深く理解し、単純に考える
5.従業員を管理しない。自由と責任を与える
  (適切な人を選べば、必要以上の管理は不要)
6.技術の流行には乗らない、技術の応用で先駆者になること
  (技術は会社の基本的価値観に従属する)
7.段階的な進化をし、革命的で劇的な結果を生む


経営者だけでなく投資家にとっても役に立つこと間違いなし。まさに名著だと思います。



2008年11月04日
 ■ プレミアム戦略


本書では、プレミアムを「機能的価値(見える価値、上質感)に情緒的価値(見えない価値、作り手との見えない絆)の両方が高いもの」と定義しています。代表例として車のポルシェをあげています。

この物あまりの時代では、いかにこのプレミアム感を築くかが重要になってくるわけですが、プレミアムは10年以上かけて作り込んでいくものだとしています。

そして、プレミアム戦略をとる場合は、たくさん売ろうとしない、作り手の主観に共感できるファンを作る、マーケティングではなくストーリーテリング(作り手の主観とこだわりをじっくり伝える)ことをポイントとしてあげています。買い手から考える発想ではプレミアムはできないというところは、とても印象に残りました。

その他の具体例も豊富で文章もまとまっていて大変読みやすい本だと思います。



2008年08月24日
 ■ 事業戦略のレシピ

事業戦略の立案から各戦術への落とし込みまでのプロセスを描いた本です。本書では、戦略立案のプロセスを次のように分解しています。

1.現状分析
2.戦略オプション策定
3.オプション評価・絞込み
4.計画・アクションへの落とし込み

昨日紹介した「戦略とは何か」が網羅的にフレームワークを紹介しているのに対し、こちらはプロセスに沿った必要最小限のフレームワーク紹介に留めている感があります。また、3.評価・絞込み、4.計画・アクションといったところまで言及しており、より実務的な内容になっています。

本書が紹介している戦略立案プロセスに、必要に応じて「戦略とは何か」で紹介されているフレームワークを補完することで、戦略立案の心強い味方になると思います。

経営者、事業部長などのエグゼクティブはもちろん、経営企画や新規事業企画を担当する方も一度は読んでおきたい本だと思います。。



2008年08月23日
 ■ 戦略とは何か


本書では戦略について定義づけた上で、事業環境の分析からグローバル戦略まで含めた戦略立案の基本フレームワークを示しています。


深く掘り下げた詳細な解説こそありませんが、著名なフレームワークについて、一通りコンセプトが網羅されています。したがって、戦略の立案書としてだけでなく、経営フレームワークの辞典としての活用もできるので、戦略立案や企業分析に携わっている方なら持っておくと何かと便利な一冊だと思います。



2007年12月22日
 ■ ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する


超有名な本ですね。発売からかなり時間が経っていますが、やっと読むことができました。

この本で興味深かったのは、戦略キャンパスの考え方や、既存の商品に「足す」、「付け加える」以外に「減らす」、「取り除く」という観点が重要だということ。これらを実施できている会社はきっと少ないでしょう。

なぜか?その業界の当たり前が、従業員や経営者にとって「大前提」になってしまっているので、既存の機能やサービスを「減らす」、「取り除く」という発想になかなか行き着けないからだと思います。

エッセンスは本サイトにまとめています。(ブルーオーシャン戦略とは





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