本書は、ベンジャミン・グレアムの名著「賢明なる投資家」に、近年の出来事に注釈を付けて、現代におけるグレアム流の投資を理解させてくれる一冊です。
PBRが1.3以下の銘柄を対象にして、一度買ったら相場の気まぐれを気にしないという優良で割安な株を長期で保有するというグレアムの投資手法を紹介。その手法は弟子であるバフェットにも引き継がれいます。
その他に、ドルコスト平均法で投資ファンドや財務内容のよい企業に投資をする防衛的な投資手法と、人気がなく、割安な銘柄に集中投資をする積極的な投資手法の2種類を紹介したり、株式と債券の持分比率を考察するなど、内容は様々な示唆に富んでいます。
ファンダメンタルを重視した株式投資をする方には、是非ご一読頂きたい一冊です。
タイトルのとおり管理職としての心得を記した本です。
リーダーシップを発揮するのに必要な視点を、自己のあり方、他者との関わり方、組織との向き合い方という3つの切り口で整理し、それぞれで押さえるべきポイントを詳細に解説していくという構成になっています。
ノウハウが単に羅列されているだけでなく、リーダーシップのあり方やチームマネジメントを様々なフレームワークを用いて解説しているので、非常にわかりやすいです。特に、他者の動かし方を人間の普遍的な傾向と、人による違いの両面からフォーカスしている部分は秀逸です。
上司や同僚、部下、あるいは他部門の関係者をどう動かすか?動かすためにどのような判断軸を持っているとよいのか?そんな疑問に答えてくれる一冊だと思います。
プロフェッショナルであることが強烈に要求される経営コンサルタントとして活躍してきたドラッカーが、プロフェッショナルに求められる条件を記した一冊です。
この本で興味深いと感じたのは次の2点です。
1.成果をあげる能力
成果をあげる能力は、知力ではなく、習慣的な能力の集積である、知力は基礎的資質、卓越した能力が必要なのではなく、成果をあげるための並の能力があればよい。
2.リーダーシップ
リーダーシップにカリスマ性は不要、リーダーシップは仕事であり、責任であり、信頼の賜物であり、リーダーシップを支えるのは一貫性である。
これらは幾多の成果を出してきたリーダーを見てきた中では、大変納得感の高い洞察だと思います。
本書には、プロフェッショナルという視点だけでなく、マネジメントやリーダーシップという視点での記述も多数あります。したがって、コンサルタントのようなスタッフ型の働き方をしている方だけでなく、ラインの長として活躍されている方にも本書をおすすめできます。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらが話題となっていますが、その原点となったドラッカーの書いた「マネジメント」のエッセンシャル版です。もしドラ効果で、本書も売れ行きも好調なようです。
本書では、マネージャー(もちろん会社における管理職のこと)のあるべき姿が書かれています。マネージャーの仕事を、投入資源の総和よりも大きなものを生み出し、生産性を創造し、決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来必要とされているものを調和させることだと書いています。要は中長期視点で物を考え効率よく利益を生めということでなのでしょう。
それを実現するための、仕事として次の5つを挙げています。
1.目標設定
2.組織構築
3.動機づけとコミュニケーション
4.評価
5.人材開発
この他、マネジメントの視点からの時間管理、トップマネジメントの仕事などがわかりやすく整理されています。
企業のトップはもちろん、各部門のトップから係長クラスまで、部下をマネジメントする立場の人におすすめの一冊です。
事業創造の際に必要な思考(それを利益思考と本書では定義しています)を題材とした本です。
利益思考の2大要素を
1.ムダを最小化すること
2.新しい価値を生み出すたすこと
と定義し、事業評価のマトリックスの紹介やKSFやKBFの見極めの重要性を示唆しています。
本書に書いてある「良い品質の製品だからといって、利益を生むわけではないという」部分は、海外市場で苦戦する日本企業に向けてのメッセージともとれます。
後半では、名著と言われる「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」で登場する23の利益モデルが、8つのカテゴリーに整理されています。この部分は、新たなビジネスモデルを検討する際の切り口として活用できるでしょう。
BtoBのマーケティングについて書かれた本です。(法人営業というタイトルですが、構成は、前半がマーケティング、後半が営業管理という感じです。)
BtoBでは、「○○様向け商品」といった特定顧客専用のカスタマイズ商品を勧めるケースが多くありますが、そのカスタマイズ商品には収益悪化や納期面などのデメリットがあることを指摘。標準商品で儲けることを基本に考えることが重要であるとしています。(多くの営業担当者には耳が痛い話ではありますが。)
そのほかに、エントリー顧客を利益化するまでのシナリオや意思決定者の捕まえ方、CCP(重要管理ポイント)とプロセス管理の重要性やテクニックなどを紹介しています。
また、新規提案時に、自分達は本命なのか、対抗馬なのか、当て馬なのかを見極めて提案を作る必要性も書かれています。
いずれにしても、法人相手の商売をする人たち全てに一度は目を通して頂きたい一冊だと思います。
戦略立案の指南書です。戦略×仮説を航海で目的地で辿り着くための海図に例え、海図を作るのに必要な4つの力(以下に詳細記載します)とその海図の作り方を紹介しています。
1.先を読む力
将来を予測する力のことです。様々な立場の人を一人称に置き換えて想像力を働かせたり、シンプルな構造で考えることが重要であると書かれています。
2.あるべき姿を描く力
あるべき姿を考える場合は、近い将来だけでなく遠い未来を、近隣のことだけでなく地球規模で考えることが重要であると記されています。
3.見つめ直す力
自社を今の枠組みやポジションだけで考えずに、新たに再定義する力のことです。ガス供給業者がガス供給業界という定義ではなく、エネルギー供給業界という定義で考えることで、戦略の幅が広がるというのを例として挙げています。
4.道筋を示す力
あるべき姿に向かうストーリーを作る力のことです。このときに重要なのは、ルールに則って道筋を作るのではなく、自らルールを構築することであると書かれています。
本書の最後に海図作成フォーマットが載っていますが、このフォーマットは自分で戦略立案する際のひとつのプロセスとして非常に役立ちます。これまで様々な戦略関連の本を読んで来られた方にとっても、新たな戦略立案パターンを増やす意味で役立つと思います。