2011年08月21日
■ 世界の実効税率 アジア諸国との比較

実効税率とは、法人税や事業税、住民税などの税率に基づいて計算された総合的な税率のことです。一般的には実効税率は国によって決まっていて、低い方が利益(厳密には課税所得)に対する税率が低い、すなわち最終利益が大きくなり、逆に高い方が最終利益が大きくなります。


さて、この実効税率、主な国ごとで比較すると次のようになっています。

・日本 39.54%
・韓国 24.20%
・中国 25.00%
・タイ  30.00%
・インドネシア 30.00%
・ベトナム 28.00%
・インド 33.99%
・アメリカ 39.21%
・ドイツ 30.18%

※OECD Tax Databaseなど参照


これだけ見ると、日本はアジア諸国に比べると税率という観点ではビハインドがあると言えます。仮に中国の会社と日本の会社の税引前利益が同じ額だとしたときに、中国の会社の税引後利益は日本のそれに比べて24%も大きくなることになります。

近年、現地市場への参入と、製造コスト削減を狙いとして日本企業によるアジア進出が目立っています。

後者について言うと、現地の労働力の安さの他に、この実効税率というのはひとつの大きな要素になっているのでしょう。(企業が負担しなければならないのは税金だけではなく、健康保険や社会保険といった福利厚生費用もあり、国によっては実効税率が日本より低いからと言って、トータルの控除額低いというわけではありませんが・・・)

2011年08月15日
■ 影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか


本書は人がどのような心理で動かされるのかを次の6つのポイントで解説しています。

1.返報性
2.一貫性
3.社会的証明
4.好意
5.権威
6.希少性

本書では、承諾誘導のプロの事例に基づいて解説していますが、セールスマンに限らず、マーケティングプランを作ったり、組織や上司・部下を動かすためのテクニックとして使ったりすることもできるでしょう。一方で、騙されやすい人や、自分の本意とは異なる行動をいつもとらされてしまっている人にもおすすめです。

2011年08月04日
■ 出資比率の意味合い

多くの産業で日本の需要が飽和している中、業界の再編が行われるケースが多くなっています。その再編の中で、買収・合併は有力な再編手段として考えられています。また、会社間の共同出資により新規事業を開拓する場合もあります。

そうしたケースで重要となるもののひとつに出資比率があります。ところが、この出資比率、各種法律によってその意味合いが変わってきます。そこで、各種法律ごとに出資比率にどのような意味合いがあるのかを次のようにまとめてみました。


■会社法
1%以上:株主代表訴訟が可能となる
3%以上:帳簿等の閲覧権を得られる
33.3%超:特別決議事項への拒否権を得られる
50%超:普通決議事項を完全にコントロールできる

■金融商品取引法
5%以上:大量保有報告書の届出義務あり、さらに多数買付の場合は公開買付が必要となる
33.3%超:少数買付でも公開買付の対象となる


これら法律に加えて、出資比率には次のような会計上の意味合いもあります。

■会計上の意味合い
15%以上:影響力基準で持分法適用会社となる
20%以上:持分法適用会社となる
40%以上:支配力基準で完全連結子会社となる
50%超:完全連結子会社となる


投資対象の会社が、出資している会社を保有している場合、その比率が法律面、会計面でどのような意味合いを持っているかを考えることで、出資戦略の狙いが見えてくるかもしれません。

参考ページ:企業再構築・合併・買収

2011年06月11日
■ 戦略の原点


本書は経営戦略のコンセプトを実務レベルで活用可能なものに厳選し、戦略の基本という位置付けでまとめたものです。(本書の表現を引用すると枝葉を理解するための幹の部分にフォーカスをあてているということになります)


企業の成長目的に始まり、ファイブフォース分析などの外部環境分析やバリューチェーンなどの内部環境分析の手法、事業戦略の基本パターンを紹介。後半ではM&Aの概要や戦略の意思決定や実行の要諦にも触れていて、戦略立案から実行までの基本概念をコンパクトにまとめられています。


それぞれのコンセプトの説明は簡略化されているので、本サイトでも紹介しているような複数の戦略本を読んだ上で、もう一度基本に立ち返る際に適した一冊です。

2011年06月04日
■ 製品開発力と事業構想力


本書は、ハーバードビジネスレビューに掲載された論文を製品開発・事業構想というテーマに沿って集めて掲載したものです。


最初の章では、イノベーションを世に送り出す際にとるべき選択肢、インテグレーター、オーケストレーター、ライセンサーについて考察。それぞれのメリット・デメリットが述べられています。(最近はイノベーションが複雑になってきているため、オーケストレーターやライセンサーという考え方がますます重要さを増してきています。)


次の章では、この論文を書いたのちにヒット作「ブルーオーシャン戦略」を生み出したW・チャン・キムによる示唆に富んだ3つのフレームワーク、ユーティリティーマップ、戦略的プライシング、ビジネスモデルガイドを提唱されています。


その他にも技術イノベーションを生み出す方法や、市場投入方法を示した論文が6つ掲載されています。


製品やサービスの開発担当者、マーケティング担当者におすすめの一冊です。

2011年05月30日
■ ヤフーニュースに掲載 株価の妥当性を判断する

東電の株価を取り上げたヤフーニュースの参考記事として当サイトが紹介されました。先月に引き続いての紹介で、これでヤフーニュースへの掲載は4回目となります。

この記事では、東電の株価がゼロに近づかない理由をDCF法で説明しており、DCF法による理論株価と実際の株価との乖離を比較して、市場が東電の賠償額をどのように見ているかという観点でのを考察を加えています。

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紹介されたページはこちらです。
株価の妥当性を判断する方法


さて、東電が何らかの方法で再建を目指すとなると、記事にあるとおり賠償額や今後の利益予測次第では、すなわち企業価値の理論値次第では非上場化+債権カットも免れないでしょう。株式市場では、今後の東電の収益見込みと賠償額に加えて、どのようなスキームで再生を果たしていくのかという思惑も含めた値付けがなされていくのでしょう。


<参考>
企業再生手法の概要

2011年05月22日
■ PowerPointビジネスプレゼン ビジテク 図を描き・思考を磨き・人を動かすプレゼンテーション


本書はパワーポイントを使った実践的なプレゼン資料作成の指南書です。


前半はパワーポイント2007を使った図表デザインの仕方を解説。後半では、本サイトでも取り上げているロジカルシンキングの概念(MECEピラミッドストラクチャーなど)と、実践的なチャート作りのプロセスを紹介しています。さらに悪いチャート例をどう改善させるかといった例も載せられています。

パワーポイントに慣れた方だと、前半はやや冗長に感じるかもしれませんが、後半の部分はプレゼン資料作りの参考になると思います。以前紹介したマッキンゼー流 図解の技術 ワークブックと並んで、ビジュアル部分のセンスを養うにはうってつけです。(本書自体も様々な論理思考本やプレゼン本からの引用があります)


仕事で多数のプレゼン資料を作る機会がある方におすすめの一冊です。

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