2009年06月21日
■ 【財務会計】ビジネスアカウンティング


・財務諸表の基本構成
・連結財務諸表の見方
・倒産企業の事例
・損益分岐点分析や業績評価などの管理会計手法
・国際会計基準への言及

など財務諸表の理解を大くくりで手助けしてくれる内容になっています。


前半の損益計算書と貸借対照表の演習は、頭を財務諸表に慣れさせるためにはうってつけの内容だと思います。その他の事例でも、財務諸表から企業活動の推定していくプロセスを詳細な解説つきで書かれていて、わかりやすく勉強になります。


前書きにも書かれている、「簿記や会計理論を知らない人が、仕事で財務諸表を役立てるべく書かれた一冊」というのは大いに納得できます。

2009年06月10日
■ 投資回収計画は堅めの見込みで提示する

不況の影響もあり、企業の財布の紐は堅くなりがちです。

こういうご時世においては、確実性の高い収益源を原資とした回収計画が受けます。

確実性の高い収益源とは何かというと、コスト減です。なぜなら、コスト減は基本的に自社都合だけで達成しやすいからです。特に「そのやり方なら誰がやっても確実にコストが下がる」と納得させられる投資計画はかなり通りやすいでしょう。

逆に、市場や競合の都合によりブレやすい売上増を原資とした計画は極めて通りにくいようです。かくいう私の勤め先でも、投資稟議が通りにくくなっています。特に売上増を見込んだ回収計画はほぼ通らなくなっています。


M&Aの世界でも、一般的に統合によるコスト減効果のみを原資にして買収金額や株式の交換比率を決めて、統合による売上増効果は見込まないケースも多いようです。
(参考:企業買収・合併による効果


こうした確実性の高い効果のみを考慮して投資をするという考え方を株式投資で使っているのがバフェットだと思います。バフェットの誰が経営しても根幹が揺るがないビジネスに投資をするという方針は、長いスパンで確実性を追求した結果だと言えるでしょう。


着実に価値を生み出してくれるものをいかに安く買うかが投資の原則は忘れないでいたいものです。

2009年05月31日
■ GMが破産法申請2

昨日の続きです。

GMの債権者が債務削減要求を飲んだ理由は、会社を清算して(つまり潰して)債務者に資産を分配してもらうよりも、会社を継続してもらう前提で債務を削減された方が有利と判断したからでしょう。


これを少し単純化して考えてみます。会社が借りたお金(債権)が100万円だとして、会社を清算した場合のお金が20万円だとします。この場合、債権者には20万円(つまり借りたお金の20%)しかお金が返ってきません。

ところが、会社を継続し、再生することで、3年後の企業価値が現在価値にして70万円になるとします。そうすると、債権者には現在価値で70万円が取り分となっていることになります。

ここで会社は債券者に対して、「この会社は再生計画に基づくと70万円の価値があるので、30万円だけ債務を免除してください。このまま清算してしまうよりはマシでしょ?」と言うわけです。これを聞いた債券者は、「そりゃそうだ、なら債務は一部放棄しましょう」となるわけです。

債務の消し方も、ただ単に帳消しになる場合もありますが、アメリカの破産法(チャプター11)では、債務を株式と交換するというやり方もあります。債券者に対して再生することによる株式の値上がり益をインセンティブとして与えるわけです。債券者は再生計画の実現で大きなキャピタルゲインを得られると思えば、ますます債務放棄に協力的になってくれるわけです。(日本の民事再生法の場合、上場廃止となるので、この方法は非常にとりにくくなっています。)


実際は、バランスシートの右側の資金の出してには、様々な利害関係者(担保付債権者、無担保債権者、劣後(それも上位、下位の)債権者そして株主など)がいるので、事前交渉と言えども単純にはいかないのが現状です。


ちなみに、再生ファンドは、破産した会社に資本注入し、上記のような法的整理により債務を帳消しにした上で会社を再生させて、高い値がついたところで株式を売り払うことによって利益を確保しているわけです。

2009年05月30日
■ GMが破産法申請1

中国の空港における機内検疫は無事通過し、何事もなく出張を終えてきました。

さて、GMの破産法申請が話題になっているので、今回は企業再生における法的整理と私的整理ついて書きたいと思います。


会社の再生方法には、私的整理と法的整理があります。

私的整理には、整理にかかる時間が短く、迅速に再生に移れるというメリットがある一方で、問題が先送りされがちというデメリットがあります。

法的整理の場合、債権カット率が多くなり再生企業の債務負担が減るというメリットがある一方で、時間がかかる上に、債権者にとっては再生計画実行までの間は破綻債権と見なされるというデメリットがあります。

日本の場合、法的整理には民事再生法と会社更生法の2つがありますが、民事再生法では原則経営者交代をせずに再生に臨むのに対し、会社更生法では経営者は退陣した上で別の経営陣のもとで再生にあたることになります。その他にも民事再生法の方が、株式の減資が100%行われない場合があるなど、いろいろな意味で条件が緩いものとなります。


今回GMが申請するのはチャプター11というもので、日本で言うと民事再生法に近く、法的整理に相当しますが、その中でもプレパッケージ型というものです。通常の申請では再生計画に対し債権者と事後調整となるのに対し、プレパッケージ型は事前に債権者と合意をとった上で、法的整理の申請をする形になります。これにより短時間で再生に移れ、なおかつ再生可能性も高まるというわけです。


GMは、このプレパッケージ型の整理で、債権者に債務の削減案をのませたと記事にあります。つまり、元々あった債務をいくらか帳消しにしたというわけです。では、なぜそのような要求を債権者は飲むのか。その理由は次回書きます。

2009年05月20日
■ 流行

もちろん、今流行しているといえば、インフルエンザです。

一応、私の勤め先では北米を除いては出張禁止令も出ておらず、近々中国に行く予定です。私の場合、新幹線に乗る機会も2回/月くらいあるので、自分がかかる確率としてはこちらの方が高そうではありますが・・・。

ちなみに、日本は中国から危険国と見なされているようで、日本発の便は到着後機内にて検温、熱が高い場合は直ちに病院に搬送されて詳細な検査が行われるとのことです。ある意味、隔離される状況の方が怖い気がします。

2009年04月05日
■ 【株式投資】バフェットの財務諸表を読む力

永続的競争優位性を生み出せる企業をそこそこの価格で買って、長期に持ち続けるというのがバフェット流の投資術であることは、バフェット関連の本を読んだことのある個人投資家であれば、すでに既知の内容でしょう。

本書は、そのバフェット流投資術をわかりやすく財務諸表レベルにまで落とし込み、58個のポイントにまとめています。

内容的には「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」と重なる部分もありますが、異なる視点、異なる言葉で改めて考えを読むと新たな気づきをもたらしてくれます。私自身は、本書を読んで財務諸表の原理原則をもう一度教えてくれているという感覚を持ちました。

興味のあるポイントだけをピックアップして読むこともできるので、手軽に手に取れる一冊です。

2009年04月01日
■ バランスシートとFCFの関係 ようやく理解深まる

今日から4月ということで、多くの会社では昨日が年度末だったと思います。今日から新たな生活が始まる方も多いと思いますが、私は相変わらず今までどおりの毎日です。


さて、昨今の株価低迷を受けて、これはチャンスとばかりに株価分析を始めています。このサイトを立ち上げた4年半前にも同じようなことをやっていましたが、最近になって知識が豊富になったせいかいろいろ見え方が変わってきたことがあります。


その中で、タイトルのとおり貸借対照表とフリーキャッシュフローの関係がようやく腹に落ちたことが一番大きな見え方の違いになっています。

最初のうちは、単純にフリーキャッシュフローの計算式に数値をあてはめて、DCF法で理論株価を計算していただけでした。しかし、最近では、予測損益計算書、予測貸借対照表を自分の手を動かしながら作成して、それがフリーキャッシュフローとどのように結びついているのかを明確に認識できるようになってきました。(もちろん後者があるべき姿で、前者はなんちゃってなんです。)

4年半もたってから何を今さらという感じもしますが、財務諸表に対してど素人だった頃を比べると、格段に進歩していることを実感します。

もちろん、計算の前提にある戦略を自分なりに描いてみることも重要なので、さらに進化をしていきたいと思います。

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