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2010年08月30日
 ■ 管理職の心得―リーダーシップを立体的に鍛える

タイトルのとおり管理職としての心得を記した本です。

リーダーシップを発揮するのに必要な視点を、自己のあり方、他者との関わり方、組織との向き合い方という3つの切り口で整理し、それぞれで押さえるべきポイントを詳細に解説していくという構成になっています。

ノウハウが単に羅列されているだけでなく、リーダーシップのあり方やチームマネジメントを様々なフレームワークを用いて解説しているので、非常にわかりやすいです。特に、他者の動かし方を人間の普遍的な傾向と、人による違いの両面からフォーカスしている部分は秀逸です。


上司や同僚、部下、あるいは他部門の関係者をどう動かすか?動かすためにどのような判断軸を持っているとよいのか?そんな疑問に答えてくれる一冊だと思います。



2010年08月29日
 ■ プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか

プロフェッショナルであることが強烈に要求される経営コンサルタントとして活躍してきたドラッカーが、プロフェッショナルに求められる条件を記した一冊です。

この本で興味深いと感じたのは次の2点です。

1.成果をあげる能力
成果をあげる能力は、知力ではなく、習慣的な能力の集積である、知力は基礎的資質、卓越した能力が必要なのではなく、成果をあげるための並の能力があればよい。

2.リーダーシップ
リーダーシップにカリスマ性は不要、リーダーシップは仕事であり、責任であり、信頼の賜物であり、リーダーシップを支えるのは一貫性である。

これらは幾多の成果を出してきたリーダーを見てきた中では、大変納得感の高い洞察だと思います。


本書には、プロフェッショナルという視点だけでなく、マネジメントやリーダーシップという視点での記述も多数あります。したがって、コンサルタントのようなスタッフ型の働き方をしている方だけでなく、ラインの長として活躍されている方にも本書をおすすめできます。



2010年08月28日
 ■ マネジメント 基本と原則

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらが話題となっていますが、その原点となったドラッカーの書いた「マネジメント」のエッセンシャル版です。もしドラ効果で、本書も売れ行きも好調なようです。

本書では、マネージャー(もちろん会社における管理職のこと)のあるべき姿が書かれています。マネージャーの仕事を、投入資源の総和よりも大きなものを生み出し、生産性を創造し、決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来必要とされているものを調和させることだと書いています。要は中長期視点で物を考え効率よく利益を生めということでなのでしょう。

それを実現するための、仕事として次の5つを挙げています。
1.目標設定
2.組織構築
3.動機づけとコミュニケーション
4.評価
5.人材開発

この他、マネジメントの視点からの時間管理、トップマネジメントの仕事などがわかりやすく整理されています。

企業のトップはもちろん、各部門のトップから係長クラスまで、部下をマネジメントする立場の人におすすめの一冊です。



2010年08月21日
 ■ 利益思考

事業創造の際に必要な思考(それを利益思考と本書では定義しています)を題材とした本です。
利益思考の2大要素を
1.ムダを最小化すること
2.新しい価値を生み出すたすこと
と定義し、事業評価のマトリックスの紹介やKSFKBFの見極めの重要性を示唆しています。

本書に書いてある「良い品質の製品だからといって、利益を生むわけではないという」部分は、海外市場で苦戦する日本企業に向けてのメッセージともとれます。

後半では、名著と言われる「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」で登場する23の利益モデルが、8つのカテゴリーに整理されています。この部分は、新たなビジネスモデルを検討する際の切り口として活用できるでしょう。



2010年08月20日
 ■ 法人営業 利益の法則

BtoBのマーケティングについて書かれた本です。(法人営業というタイトルですが、構成は、前半がマーケティング、後半が営業管理という感じです。)


BtoBでは、「○○様向け商品」といった特定顧客専用のカスタマイズ商品を勧めるケースが多くありますが、そのカスタマイズ商品には収益悪化や納期面などのデメリットがあることを指摘。標準商品で儲けることを基本に考えることが重要であるとしています。(多くの営業担当者には耳が痛い話ではありますが。)

そのほかに、エントリー顧客を利益化するまでのシナリオや意思決定者の捕まえ方、CCP(重要管理ポイント)とプロセス管理の重要性やテクニックなどを紹介しています。

また、新規提案時に、自分達は本命なのか、対抗馬なのか、当て馬なのかを見極めて提案を作る必要性も書かれています。


いずれにしても、法人相手の商売をする人たち全てに一度は目を通して頂きたい一冊だと思います。



2010年08月16日
 ■ 戦略力を高める ―最高の戦略を実現するために

戦略立案の指南書です。戦略×仮説を航海で目的地で辿り着くための海図に例え、海図を作るのに必要な4つの力(以下に詳細記載します)とその海図の作り方を紹介しています。


1.先を読む力
将来を予測する力のことです。様々な立場の人を一人称に置き換えて想像力を働かせたり、シンプルな構造で考えることが重要であると書かれています。

2.あるべき姿を描く力
あるべき姿を考える場合は、近い将来だけでなく遠い未来を、近隣のことだけでなく地球規模で考えることが重要であると記されています。

3.見つめ直す力
自社を今の枠組みやポジションだけで考えずに、新たに再定義する力のことです。ガス供給業者がガス供給業界という定義ではなく、エネルギー供給業界という定義で考えることで、戦略の幅が広がるというのを例として挙げています。

4.道筋を示す力
あるべき姿に向かうストーリーを作る力のことです。このときに重要なのは、ルールに則って道筋を作るのではなく、自らルールを構築することであると書かれています。


本書の最後に海図作成フォーマットが載っていますが、このフォーマットは自分で戦略立案する際のひとつのプロセスとして非常に役立ちます。これまで様々な戦略関連の本を読んで来られた方にとっても、新たな戦略立案パターンを増やす意味で役立つと思います。



2010年08月08日
 ■ プラットフォーム戦略

本書では、企業と顧客、顧客同士、企業と補完事業者など、ビジネスに参加している者を乗せる土台であるプラットフォームの戦略的活用や利用方法について解説しています。

インターネットモール、オークションサイト、クレジットカード会社、ゲームメーカー、玩具メーカー、教育機関など様々な事例の中で、プラットフォームとして成功した例や、乗るべきプラットフォームを誤って急落した例などを豊富に紹介しています。

興味深いのは、自社でプラットフォームを作るときに何を考えるべきかということだけでなく、他社のプラットフォームに乗る際にも、自社のプラットフォームに対するスタンスをまず考えておかなければならないという点への言及です。

本書であげているポイントは、(1)ドメインを決定し、(2)ターゲットを決めて、(3)プラットフォーム上のグループ間交流を活発にして、(4)キラーコンテンツを準備し、(5)適切な価格戦略と価格以外の魅力付けをし、(6)暴走しないようにコントロールすることです。

今のところ、プラットフォームという視点で体系的にまとめられた唯一の本だと思います。



2010年08月07日
 ■ アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略――ローエンドから攻め上がれ

国内市場が停滞・縮小している中で、グローバル市場における売上拡大は、多くの日本企業にとって重要な課題となっています。本書では、そうした課題の解決策のひとつを提言しています。

解決には(1)市場創造力、(2)M&A力、(3)ものづくり力、(4)オペレーション力、(5)経営管理力の5つの力が必要であると解説。ものづくり力では、ターゲットコストを明確にして、価値を絞り、作りをシンプルにし、R&Dを川下に絞ることが重要としています。

日本の製品は、アジア市場ではハイコストかつオーバースペックであると見られるケースが多く、サムスン、LGなどの韓国企業の製品に、将来的は中国企業の製品に対して、手も足もでなくなってくるという見方さえあります。その中で、本書は真のグローバル企業になるための考えや心構えを説いてくれています。

経営者や国際事業部門のスタッフとして、自分の会社をグローバルに成長できる企業へと変革していきたい方や、投資家としてグローバルに成長できる企業の判断基準を養いたい方に適した本だと思います。





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