2008年05月06日

 ■ 減価償却の耐用年数短縮 企業価値への影響は?

5月2日の日経新聞にも掲載されていましたが、2008年度より設備の耐用年数が一部短縮化されました。2007年度の償却額の改定に続く改定ということになります。海外の制度に近づけていくことが狙いとしてあるようです。


さて、耐用年数が短縮されるとどうなるか?

まず、1年あたりの減価償却費が増えるので、利益額は減少します。今年の決算報告書の資料を見ると、各企業で減価償却方法の変更という項目が出ていると思いますが、これは耐用年数の短縮によるものがあります。株式の指標で考えるとPERに影響が出てきます。


では、利益は減りますが、企業価値はどうなるか?というと、これは上がることになります。

企業価値の計算は、その会社が生み出すFCFの現在価値の累計をベースにして求められます。「FCF=営業利益(1-税率)+減価償却費−運転資本の増加分−設備投資」額という式を考えると、FCFを算出する際に営業利益には税率分がマイナスされていることがわかります。つまり減価償却費が増えて、営業利益が同じだけ減った場合に、FCFはプラスになるわけです。

今回の制度変更では、耐用年数が短縮になるわけなので、直近の減価償却費が増えて、将来の減価償却費が減るということになります。つまり近い将来のFCFが増えて、遠い将来のFCFが減るということになるので、FCFの現在価値を考えるとプラスになるわけです。

したがって、企業価値は上昇するというロジックになります。(ただし、元々営業利益がマイナスの会社にとっては意味がありません。また、EBITDA倍率で考えると、影響は出ません。それは税率を考えていないからです。)


会計の制度は、年々変化を遂げていくもの。それにより実態が大きく変わるわけではありませんが、変化によって投資指標にどのように影響が出るかは考えておいた方がよいかもわかりません。


ちなみに、本サイトの減価償却費のページがまだ古い情報のままなので、近いうちに更新しておきます。



 

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投稿者 ふるて : 2008年05月06日 02:07



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