2007年05月26日

 ■ 財務諸表は経営の実態を見ながら修正することも必要

さて、以前の日記で実態を表せているか疑わしい財務諸表(粉飾とは別です)や、大きな会計方針の変更があった財務諸表に対して我々投資家は何をしなければならないのか?という話をしましたが、その続編です。


答えから先に言うと、我々投資家がするべきなのは財務諸表の修正です。もし、大きな方針変更や実態を表しているか疑わしい財務諸表を修正せずに比率分析をしてもほとんど意味をなさないからです。

修正の例として、例えば実態を表せていない財務諸表については、不自然な科目や金額をきっちり再計算して適切な科目に割り振る必要があります。会計方針の変更があった財務諸表については、会計方針の変更がなかったものとして再計算する必要があります。多大な繰延資産が計上されている場合は、それが費用処理されていた場合に利益がどうなっていたかを再計算する必要があります。

そして修正した財務諸表に基づいて企業の収益性、安全性、効率性を見積ります。そうすると表向き財務諸表のうえでは、大きな利益成長をしているように見えても、実は大して成長していなとか、安全なように見えても実は安全性に問題ありだったといったことがわかる場合があります。


前に私は、「投資家は正確な財務諸表を作ることができる必要はなく、読めればいい」と書きました。では、修正のときは?というと、必要なのは完璧な正確性ではないので、傾向を読み取れるレベルで財務諸表を大雑把に修正できればよいわけです。


ところで、こうした会計方針の変更や実態を正確に把握できない財務諸表に対しても大きくブレない指標があります。

それはキャッシュフローです。利益が変化すればキャッシュフローも変化するかと思いがちですが、実際は他の科目で調整されてしまい、多くの場合は、「営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー」(いわゆるフリーキャッシュフロー)で見るとは変化しません。

これが「利益は経営者が作るもの」、「キャッシュは王様」と呼ばれる所以かと思います。


最近では、経営者が利益を作った例として日産のV字回復が有名です。これは、減価償却費の償却方法の変更や繰延税金資産の計上基準の変更によって大きな利益が生み出されたものと言われています。

こうした舞台を演出している方針変更があった場合は、従来方針で財務諸表を作成した場合にどうなるかを大雑把にでも把握しておくことが重要だと思います。(ちなみに日産は利益を生む前年に損失計上を前倒しして大幅赤字にした上で、翌年のV字回復を演出していました)

会計方針の変更は有価証券報告書で見ることができます。



 

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投稿者 ふるて : 2007年05月26日 22:19



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