2007年02月12日

 ■ 資本コストから考える新規事業開拓による株価増減

久しぶりにファイナンスの話を書いてみます。

本サイトに資本コストについての記述をしています。これは、株式による資金調達と借入による資金調達にかかるコストのことをいいます。理論的には資本コストが大きくなると、株価は下がります。

詳細 : 資本コスト(WACC)

この資本コストと株価の考え方がわかると、つぎような状況で株価がどう動くかを知る手がかりになるわけです。

「業績が停滞ぎみのある無機材料系のメーカーが、今伸び盛りのIT関連事業に進出する」

この場合、一見すると伸び盛りのIT関連事業に進出ということで株価は上昇側に反応するものと思ってしまいます。しかし、資本コストの観点から見るとどうなるでしょうか。

停滞ぎみとはいえ、無機材料製造の事業リスク(上下変動)は非常に小さいと考えられます。一方で、IT関連産業は伸び盛りとはいえ、事業リスクは非常に大きいと考えられます。資本コストはリスクが小さいよりも大きいほうが高くなるので、この会社がIT関連事業に進出すれば資本コストは上昇します。つまり株価は理論的に下がる方向にいくわけです。(もちろん、新規事業開拓によって、将来見込まれる収益が資本コストの増加を打ち消すほど大幅に増加する場合は、株価上昇要因になります。ここでは資本コストの動きのみに着目しています)


ちなみに、この場合、理論的な数字上の話だけでなく、投資家心理からしても株価は下落の要因を秘めています。例えば、IT経験のない会社がIT関連事業に資本を投入するのであれば、投資家はそこから資金を引き上げてITを専門にしている会社に預けた方がよりリスクを抑えながら同程度のリターンを得られると考えることができるからです。



 

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投稿者 ふるて : 2007年02月12日 22:27



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